2021/05/16 ニュース

トヨタが目指すのは数字か政治か。2021年3月期決算説明で「電動化戦略」が明らかに

●新EVシリーズ「bZ」の第一弾



開発のリードタイムを短縮



一方、だからと言ってEVを軽視しているわけではない。やるとなれば徹底的にやるのがトヨタである。

先日、投入が発表されたbZシリーズについては、開発のデジタル化を推進していくことで従来より約30%、続くモデルではさらに10%、投入までのリードタイムを短くしたいという。世間のニーズに速やかに応えるためだ。

またPHEV、HEVと共通のプラットフォームでのBEVも検討するというのだが、正直なところコレは意外だった。内燃エンジン車と共通プラットフォームのEVは生産性や搭載可能なバッテリー容量の点で不利というのが定説で、故にトヨタを含む各社、専用プラットフォームを開発しているのだから。

この話とは別に話されたトヨタの電池開発コンセプトでは「安心・安全を一番に考える」、「その上で、エネルギー密度向上など高性能化と低コスト化を進める(コスト・性能は電池単独ではなく、クルマの総合力で)」と述べられている。その流れで言うならば、トヨタとしてはクルマの総合力、すなわち制御であったり空力など車体側の改善によって、これを補うことができると考えているようである。これについては会見でぜひ質問したかったのだが指名されず…。

そして個人的には、いつまでもEVのニーズは大容量・長距離だけに限定されないだろうとも見ている。目下、特にプレミアムカー周辺はそこでの競争になっているわけだが、今後、EVが普及フェイズに入っていくに従って、そこまでの航続距離は要らない、価格をより下げたいという方向に、求められるかたちは変わってくる可能性は十分ある。

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING