2021/05/16 ニュース

トヨタが目指すのは数字か政治か。2021年3月期決算説明で「電動化戦略」が明らかに

●新EVシリーズ「bZ」の第一弾

カーボンニュートラル=EVではない



5月12日に行われたトヨタ自動車の2021年3月期 決算説明会は、豊田章男社長こそ登壇しなかったものの、トヨタのビジネスの底堅さで唸らせるだけでなく、とても興味深い内容だった。

特に印象的だったのは、何かと注目のカーボンニュートラルについての話。折に触れて豊田章男社長は、カーボンニュートラルはイコールEV化ではなく、ユーザーの動向や地域特性などを鑑みた様々な選択肢があるべきだと話しているが、今回は商品を軸にとても突っ込んだ話となった。

まず注目は「電動化比率」についての話。1997年に世界初の量産ハイブリッド車(HEV)となるプリウスを発売したトヨタは、現在HEVを45車種、プラグインハイブリッド(PHEV)を4車種、バッテリーEV(BEV)を4車種、燃料電池自動車(FCV)を2車種の計55車種にものぼる電動化車両をラインナップしており、2020年には合計200万台を販売した。

さらに2025年までには、先日発表されたbZシリーズの7車種を含むBEV15車種の投入を宣言している。それだけ電動化が進んでいるトヨタなのに、BEVこそ電動化だという誤った認識を持つメディアやアナリストを中心に、トヨタは電動化に消極的だと評しているのが現状なのだが、異例のかたちで明らかにされた2030年の電動車販売比率・台数見通しは、そうした声を勢いづかせるものかもしれない。

地域      電動車        うちBEV+FCEV
日本       95%          10%
北米       70%          15%
欧州        100%          40%
中国(2035年) 100%(NEV+省エネ車) 50% (NEV)

結果としてトヨタは2030年のグローバルな電動化比率目標を800万台と見積もる。ちなみに従来は、2025年に550万台以上という数字を掲げていた。これはBEVにFCEV、そしてHEV、PHEVまで含んだ数字だ。

ドライバーWeb編集部

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