2021/05/02 モータースポーツ

水素エンジンの性能・利点・弱点とは? モータースポーツに一筋の光…レーシング・カローラが富士24時間合同テストで走行

●フロントにはGRヤリスがベースの水素エンジンを搭載


水素エンジンはGRヤリスの1.6Lターボがベース



水素エンジンは、同じ水素を用いるFCV(燃料電池自動車)とは違って、ガソリンの代わりに内燃エンジンに使って、水素を燃焼させる。中身は決して特殊なものではない。今回の水素エンジンは、じつはGRヤリスに積まれる直列3気筒1.6Lターボユニットのインジェクターやプラグ、燃料の取り回しなどを変更しただけのもの。高圧水素タンクはMIRAI譲りのもので、その意味ではこれまで培ってきた技術が、うまく活用されたマシンとなっている。


●YouTubeチャンネル「RIDE NOW」より

車両がカローラになったのは、乗用車のド真中のクルマで訴求したいという意図もあったというが、一番大きな理由は室内スペースの広さだろう。室内を見ると、後席が取り払われてロールケージが張り巡らされたその内側には、CFRP製のキャリアに固定された合計4本の高圧水素タンクが搭載されている。


●水素タンクは後席に配置

万一のクラッシュの際に十分な安全性を保てるようにというこのレイアウトは、FIAとの協議なども経て決定されたという。そのほか、安全にまつわる要件も、すべてそうしたプロセスで決められた。水素エンジンのレーシングカーが走行するのは世界初のこと。FIAも非常に興味深くこのプロジェクトを見ているようである。


●YouTubeチャンネル「RIDE NOW」より

ドライバーWeb編集部

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