2021/04/30 コラム

なぜ商標拒絶?ヴェゼルよりも小さい、ホンダの新コンパクトSUV「ZR-V」の車名問題

●海外も含めてホンダは「◯◯-◯」が多い

頑張れホンダ! 「ZR-V」の車名の商標拒絶に立ち向かえ


ホンダの新たなコンパクトSUVが、早ければ2021年内に登場すると噂されている。全長4m程度の5ナンバーサイズで、ライバルはライズ/ロッキーといわれている。気になる車名だが、CR-V、HR-V(現在はヴェゼルの輸出名)などと同様にSUVシリーズとして共通性を持たせた「ZR-V」が有力。じつは2020年10月に特許庁に商標として出願されている。


●2021年4月23日から発売している新型ヴェゼル。輸出名はHR-V

ところが、その商標登録の雲行きがちょっと怪しいのだ。出願された商標が特許庁から拒絶されてしまったのである。商標法第3条第1項第5号(極めて簡単で、かつ、ありふれた標章)に該当するというのが、その理由だ。ローマ字2字または1字を「-」ハイフンを介して組み合わせて構成される標章は、商品の品番、型番などを表示するための記号・符号として、広く一般的に使用されている。そのため、「ZR-V」もその一類型と認識されるので、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」と判断されてしまったのである。

これに納得できないとして、ホンダは次のように意見を申し述べている。

◇◇◇

●今回の商標は「ZR-V」として、ローマ字の2字「ZR」とローマ字の1字「V」とを「-」(ハイフン)で結合した構成で成り立つ。商標法第3条第1項第5号に係る審査基準による(1)ローマ字の1字又は2字からなるもの、(2)ローマ字の2字を「-」で連結したもの、(3)ローマ字の1字又は2字に「Co.」、「Ltd. 」又は「K.K.」を付したもの、のいずれにも該当しないので問題なし。
●「-」は、2語を結び付けるときに使う符号なので、商標は全体で一体不可分に1語を構成するものと認識されるべきであり、称呼も「ゼットアールブイ」と全8音で一気一連に行う。そして、今回の商標は、全体として特定の意味合いを表す言葉・表示として一般に親しまれているものではないので、特定の観念を生じない一種の造語として把握されるべきものである。
●ローマ字3文字で構成される商標は、(それ自体が商品の品質または役務の質との関係で記述的でない場合は)識別力を持つと判断されるのが通例で、「-」を加えているものの、ローマ字3文字で構成される商標と同等の識別力を持つ。過去に日産が持っていた「ZRV」という商標(現在は権利満了)が登録されていた事実もある。「-」を含む文字全体が一体不可分の造語として捉えられ、商標として理解・認識されているのが実情である。
●自動車が含まれる商標区分「第12類」の分野では、従来からローマ字の2字とローマ字の1字を「-」で結合したものを、単なる商品の記号・符号の一類型としてではなく、自他商品の識別標識である商標として使用している実情がある。
例えば、CR-V、CR-X、CR-Z、HR-V、S-MX、MR-S、C-HR、GT-Rなどがあり、これらのうちいくつかは「-」付きとして商標登録されている。ほかにも「-」付きで登録されている例は多数ある。

◇◇◇

こうした点を踏まえると、今回の「ZR-V」の商標は登録されるべきであるというのがホンダの主張である。「ZRV」の商標はかつて存在していたし、ハイフンを用いた同じような構成の商標がすでに登録されているのに、「ZR-V」は認められないというのは確かにおかしい。主張が認められなければ、せっかく考案した車名がお蔵入りになる可能性もある。特許庁に意見を申し述べるのは、ホンダがいかにこの車名を大切にしているかという証拠。ホンダにはぜひ頑張ってほしい!

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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