2021/04/21 コラム

最新の可搬式オービス「LSM-310」は2分割で運搬が断然便利になった

●最新オービスの正体が今明かされる



LSM-310は、どこがどう進化したのか?

LSM-300と明らかに違う点が2つある。1つは、本体部は同じ縦長直方体なんだけども、LSM-310は上下に2分割できるのだ。発光部と、測定&撮影部と、バラで運び、現場で合体させる。撤収時は2分割する、運搬が断然便利になった。

もう1つ、白黒ではなくカラーの写真を撮れるようになった。ちなみに、可搬式オービスについてTKKとライバル関係にあるSGG(スウェーデンを本社とする世界的企業、Sensys Gatso Group)は、最初からカラー写真だ。

今回の開示では面白いことがあった。以下は仕様書の1ページ目だ。「3 性能」の「(1)速度計測」の「イ 速度計測範囲」が墨塗りになっている。


●LSM-300の仕様書の1ページ目

私は他のオービスについても開示請求してきたが、この部分はみんな墨塗り、不開示だった。開示すれば違反者を利することになるからだという。しかし私は著書などで速度計測範囲の上限を書いてきた。TKKのオービスⅢLh(フィルム式)は199km/h、オービスⅢLk(画像伝送式)は240km/h、三菱電機の高速走行抑止システム、RS-2000は220km/hなどと。それらは、オービスの裁判だけで400件ほどを傍聴するなかでわかったことだ。

なのに、LSM-310の速度計測範囲は、2020年10月ごろからか、ネットで知れわたっている。LSM-310のパンフレットというかチラシというか、A4サイズでカラーの1枚ものが出回っており、そこに「40~220km/h」とばっちりあるのだ。誰かが守秘義務に違反して流出させたのか。ものすごくマニアックに妄想するなら、じつはLSM-300の上限速度はかなり低く、LSM-310は上限220km/hになったので、TKKの誰かが誇らしく出しちゃた、とか? ちなみにSGGの可搬式オービスの上限は300km/hだ。これも裁判傍聴からわかったことだ。


●LSM-310の取扱説明書から。本体部が2分割になっている

ドライバーWeb編集部

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