2021/04/19 ニュース

自動運転レベル2.999!? トヨタ/レクサスのアドバンスドドライブを試してみた

●レクサスLS アドバンスドドライブ

限りなくレベル3に近い、認知・判断・操作の支援

レクサスLS、そしてトヨタMIRAIに高度運転支援技術「Lexus Teammate(レクサスチームメイト)」、「Toyota Teammate(トヨタチームメイト)」の新機能「Advanced Drive(アドバンスドドライブ)」搭載車が登場した。これは高速道路/自動車専用道路(以下“高速道路”)の本線上での走行を支援するもので、ナビゲーションで設定した目的地に向かって、車線・車間維持、分岐、車線変更、追い越しなどを行いながら最寄りのICを降りるまでの運転をサポートする高度運転支援である。


●ナンバープレート下にはライダーを装着。「L」のエンブレム内はミリ波レーダーも搭載


●フロントガラスには前方用ステレオカメラなどを装備

先日、ホンダがレジェンドに「Honda SENSING Elite(ホンダセンシング エリート)」を搭載し、渋滞中の高速道路における初のレベル3自動運転を実現したが、「Advanced Drive」は区分けで言えばレベル2であり、つねにドライバーが運転についての責任を負う。しかしながら行なわれる認知、判断、操作の支援内容、そして実現した機能はそれに限りなく近く、まさしくレベル2.999とでも呼びたくなるものとなっている。

いずれもドライバー監視の下という条件はつくとは言え、ハンズオフ走行は120km/hまで可能だし、車線変更や分岐、追い越しも支援してくれる。また、ドライバーの無操作状態が続いた時には周囲に警告を行いながら緩やかに減速して車線内、もしくは路肩に自動停止するなんて芸当もやってのけるのだ。


●将来のアップデートを視野に入れたボディワークの改良で、サイドのライダーは未搭載


●後方にもライダーの増設エリアが用意されている

操作はあくまで簡単

試乗したのはレクサスLS500h Advanced Drive。起動は簡単で、あらかじめ目的地を設定して走り出したうえで、高速道路に入ったらステアリングホイール右側のメインスイッチを押すだけ。この時点ではレーダークルーズコントロール、レーントレーシングアシスト(LTA)など通常の運転支援が働くが、高精度地図データに基づいて正確な自車位置が測定できるなど、条件が揃うと自動的にハンズオフが可能になる。レーダークルーズコントロールは車速120km/hまで設定可能で、ハンズオフはハードウェアとしてはプラス15km/hまで対応する。

実際に試してみて、まず印象的だったのが走りの精度の高さ。追加された多くのカメラ、センサー類のおかげで、通常のACC+LTAに比べて加速、減速、コーナリングなどが、一層スムーズなのだ。しかも、大型車の脇を通過するときには車線内のやや右寄りを走行して不安を和らげるなんて芸当までやってのける。ハンズオフしていても、安心感はとても高い。



車線変更、追い越しの支援も行う。車線変更は、次の分岐や降りるICの手前で、事前に必要な車線変更を行うよう車両側から提案されるので、スイッチを押して了承し、ステアリングを握り、周囲の安全を目視で確認すれば、あとは自動的に車線変更が行われる。追い越しも同様で、セット車速よりも前走車の速度が低く、追いついてしまう場合に車両側から追い越しが提案されて…というかたちとなる。

他にも、合流地点では手前から早めに減速して車間距離を確保し、合流してくる車両がスムーズに入れるよう促すといった機能も備わる。緊急自動ブレーキも従来より早めの前方車両検知が可能になっているという。

出口ICでの退出も、車線変更と同様のプロセスで行われる。そうやってランプウェイに入ると制御は終了となる。

車線変更や追い越しではステアリングを保持する必要あり

試乗後に改めて感じたのは、とにかく安全に、そして安心して使うことができるということが徹底されているということだ。自車やその周辺の状況はデジタルメータークラスター、大型のヘッドアップディスプレイにわかりやすく表示されている。また、画面には次にどこで車線変更を行う、どの分岐や出口に向かうといった行程表のようなものが示され、そこには「ASSIST」「MANUAL」という車線変更時の動作も示されるから、次の動きも把握しやすい。

車線変更や追い越しの際にステアリングを保持させるのも、やはり安全志向ゆえのこと。ただし、それが操作としてスマートと言えるのかは判断が難しいところではある。それなら、ハンズオフ可能なときになんとなく手を置いておけるようなステアリングホイールの形状などが、今後はセットで検討されてもよさそうだ。

こんなふうに斬新で、そして使える機能が格段に増えているにも関わらず、試乗したEXECTIVE Advanced Driveの価格は17,940,000円で、EXECTIVEに対してわずか66万円高に抑えられていること、限定ではなく通常販売されるのは、本気で普及を目指す思いの表れと見るべきだろう。しかも、一方でまだ少なくない進化の余地に対しては、OTAによるアップグレードも用意されている。「レベル3!」という華やかさはないが、間違いなくクルマのあり方を、次の一歩に進化させる1台の登場である。



〈文=島下泰久〉

ドライバーWeb編集部

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