2021/04/19 ニュース

日野の新しい小型EVトラック「デュトロZ EV」はなぜ前輪駆動なのか?

デュトロZ EV

日野が小型EVトラックを開発。あのエルフマイパックに続く前輪駆動モデル

日野は2021年4月15日、ウォークスルーバン型の電気自動車を新たに開発し、2022年初夏に「デュトロZ EV」として市場導入すると発表した。Zは「ズィー」と読み、Zシリーズは日野のゼロエミッション車ブランドという位置づけ。小型トラックの「デュトロ」シリーズの一環としてデュトロの冠を付けている。



eコマースの拡大などで宅配便の利用が高まるなか、配送の現場では、人手不足や荷役作業の身体的負荷、荷物の増加や多様化への対応といった課題が深刻化してきている。また、カーボンニュートラルに向けて物流事業者の環境への対応も求められてきている。

こうした課題を解決すべく、日野は「超低床・前輪駆動」の電気自動車(EV)を開発した。荷室床面の地上高は約400mmで、従来のトラック(後輪駆動)の約半分。ミニバンのステップ高とさほど変わらない数値で、荷役作業性や乗降性を向上させた。ウォークスルーバンの車名が示すように、運転席から荷室には室内からアクセス可能で、助手席側の荷室スライドドアからも乗降できる。



一充電の航続距離は宅配用途に必要な100kmを目指したという。メカニズムはモーター(50kW)などの電動ユニットとドライブトレーンをフロントに配置し、前輪駆動とした点がポイント。従来の小型トラック(後輪駆動)のように、プロペラシャフトやリヤデフなどの駆動デバイスが存在しないため、低く平らな荷室床面(後輪のホイールハウス部分には出っ張りがある)の実現に貢献。リチウムイオンバッテリー(容量40kWh)は超低床フレームの中央部に、フレームに囲まれるようにしてレイアウトされている。なお。充電は普通充電と急速充電(CHAdeMO方式)に対応している。



車両のスリーサイズは全長4.7m×全幅1.7m×全高2.3mで、車両総重量は3.5トン未満(最大積載量の発表はないが、車両重量との兼ね合いから1トン程度になるのだろうか)。普通免許で運転でき、取りまわしのよいボディサイズやEVならではのイージードライブによって、ドライバーの人材確保に貢献。EV車ならではの静粛性で、夜間の配送にもうってつけだ。また、ウォークスルーバンに加えて、用途に応じた荷台を架装できるキャブシャシ型も設定し、事業者のビジネス形態に合わせた架装を行うことができるという。

安全装備は、プリクラッシュセーフティシステムを搭載、誤発進抑制機能(インテリジェントクリアランスソナー)、電動パーキングブレーキ、電子インナーミラー、車線逸脱警報などを採用している。

ちなみに、前輪駆動の小型トラックという意味では、1972年に発売されたいすゞ エルフマイパックが思い出されるが、ディーゼルエンジンを縦置きに搭載したモデルだった。マイパックも荷台は低床で、荷台高は450mmを実現。今回のデュトロZ EVから見れば、マイパックのコンセプトがいかに時代を先取りしていたかがわかる。



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〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部