2021/04/19 コラム

ブレーキの踏み方に男女の違いあり? その原因は教習所にあった

●教習所での教え方に理由があった

日産の軽自動車、デイズ/ルークスの女性開発担当者(発売当時)と話す機会があった。そのなかで、驚いたことがある。その女性開発担当者いわく、デイズ/ルークスのペダル配置は女性特有の“クセ”を考慮している、というのだ。そのクセは、どうやら教習所にも関係するとか。


●デイズ ハイウェイスター

ーーー:デイズ/ルークスはブレーキペダルも女性に配慮しているってホントですか?
担当者:そうなんです。日産としてはヒールの高い靴を履いての運転は推奨していませんが、ヒールで運転されるお客さまはやはり一定数います。そのため、ペダルを少し寝かせてヒールを履いていても踏みやすいように工夫しています。
ーーー:なるほど、でもそれだけでは“クセ”とは言えませんよね?
担当者:女性はかかとを軸にアクセルとブレーキを踏み変えるのではなく、足を浮かせて踏み変えているんです。
ーーー:それはなぜですか?
担当者:じつは世の中がAT主流になったころから、教習所では特に女性に対して足を浮かせて踏み変えなさいと教えるところも多かったと聞いています。私自身も大学に入ってすぐAT限定の免許を取得しましたが、「ペダルはかかとを浮かせて上から踏みなさい」と教えられました。
ーーー:そうなんですね!
担当者:教習所の正確なデータはないので、もちろん一概には言えません。しかし、実際に日産が行ったモニター調査の回答では、その9割以上がかかとを浮かせてペダルを踏み換えています。
ーーー:驚きです…。
担当者:考慮した部分はそこです。かかとを付けないでブレーキペダルを踏むと、ブレーキの踏力コントロールなどが雑になりがちです。ストロークが短かったり、遊びが短いとちょっと踏んだだけでギュッと止まってしまいます。社内でもかなり多くの人に乗ってもらい、誰にでもコントロールしやすいペダル位置と効きの特性にしています」

女性向け、男性向けなどはナンセンスだと言われる時代。けれども、体格の違いなんかはどうしても避けられない。教習所では、男性に比べて踏力の弱い女性に対してブレーキペダルをしっかり踏み込んでほしいと教えているようだ。


●ルークス ハイウェイスター

そんな女性特有のブレーキの踏み方に考慮し、デイズ/ルークスではかかとを床につけずブレーキを踏み込んでも初期制動がなるべく穏やかになるよう、また恐怖感を感じずにしっかり減速できるようにそのフィーリングを煮詰めていったのだ。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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