2021/04/01 モータースポーツ

【F1 2021】心の底から「おもしろい!」って思える久々のレースだった開幕戦バーレーンGP。ホンダの無双っぷりと角田裕毅から目が離せない!




これほど観戦後に疲労感があって、これほど楽しかったと思えた開幕戦って、今まで経験したことないかもしれないです。F1(フォーミュラ1世界選手権)2021年シーズンの開幕戦「バーレーンGP」。各チーム・各ドライバーの攻防が最初から最後まであらゆる場所で見られ、開幕戦とは思えないほど見応えのあるレースでした。優勝はメルセデスAMGのルイス・ハミルトンでしたが、そのレース内容は昨年までの楽勝独走パターンとは正反対の展開。レッドブル ホンダのマックス・フェルスタッペンとのガチンコ勝負を、レース中ずっと繰り広げた末の辛勝でした。

【画像ギャラリー】F1 2021開幕戦バーレーンGPで最速だったレッドブル ホンダ&角田裕毅のアルファタウリ ホンダ

2010年ぶりとなる、バーレーンでの開幕戦はこの2人の争いが、話題の中心でした。ホンダエンジン搭載マシンとしては1991年のアイルトン・セナ以来となる、開幕戦のポールポジションを獲得したレッドブル ホンダのフェルスタッペン。そして2020年に7回目のチャンピオンを達成した絶対王者ハミルトン。2人の攻防がハイライトであったことには間違いないのですが、それ以外にも見所は本当に多かったレースでした。それらのいくつかを、これから紹介していきます。


■現状、今季のサーキット最速マシンはレッドブル ホンダ


先週末に行われた、3度のフリー走行から予選まで、決勝以外のセッションすべてで全体のトップタイムをマークした、レッドブル ホンダのフェルスタッペン。事前に行われた公式テストの結果通り、レッドブルの「RB16B」が現状での今季最速マシンであることは間違いないようです。その速さはレース中のペースでも明らかでした。今季からレッドブルのリヤウイングには、大きなHONDAの文字が描かれていますが、なんとも誇らしくもあり、嬉しくなりますね!


●序盤トップを快走するレッドブルのM・フェルスタッペン。リヤウイングのHONDAがカッコいい!

サヒールのバーレーン インターナショナルサーキットはセクターが3つに分けられていて、セクター1と3は長いストレートと低速コーナーが主体。セクター2は中低速のコーナーが集まる区間でした。レース中のタイムを見ると、セクター1と3の両者のタイムはほぼ互角。しかし、セクター2のタイムはレッドブルのほうがメルセデスを上まわっていました。このことから、今季のレッドブルRB16Bはコーナーで速いということがわかります。ダウンフォースとグリップのバランスが崩れることなく、セッティングが決まっているということでしょう。


●セクター2は青く表されたインフィールド区間。このセクターはレッドブルのRB16Bが最速でした(引用元:FIA F1オフィシャルサイト)

今季のレッドブルが最速だということは、フェルスタッペンのチームメイトでもあるセルジオ・ペレスが見せたオーバーテイクショーでも証明しています。ペレスはスタート直前のフォーメーションラップ中に突然電源がすべてシャットダウンする症状が出てしまい、ピットレーンからの最後尾スタートとなりました。にも関わらず、最終的には5位でフィニッシュ。6位以下の15台をすべて抜いてきたのです。レース中の映像を見ても、他チームのマシンとはあきらかにスピードが違いました。HONDAと描かれたマシンがこのような無双っぷりを見せてくれると、本当に嬉しくなります!


●本来のグリッド11番手からスタートできていれば、ポディウム争いにも絡んできたであろうS・ペレス。まだマシンに慣れない初戦で、あのオーバーテイクショーを見せてくれるとは! 今季の活躍が楽しみな選手のひとりです

でも勝者はハミルトン。なぜフェルスタッペンは勝てなかったの? と思う人も多いでしょう。そこがF1のおもしろさでもあるのです。ハミルトンの勝利した理由は、チームの総合力が勝っていたから。レッドブルは今季の最速マシンを手にしましたが、ピット戦略も含めたレースマネジメントに関しては、今回はメルセデスAMGのほうが1枚上手でした。そして開幕戦までに間に合わせてきた、マシンの開発能力も忘れてはいけません。


ドライバーWeb編集部・青山

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