2021/04/01 モータースポーツ

【F1 2021】心の底から「おもしろい!」って思える久々のレースだった開幕戦バーレーンGP。ホンダの無双っぷりと角田裕毅から目が離せない!



■フェルスタッペンvsハミルトンのガチバトルがスゴすぎた!


スタートからハミルトンは、フェルスタッペンに離されないようピッタリと背後についていきました。そして、1回目のピットストップを利用してトップの座を奪ったのですが、これは完全にメルセデス側のシナリオ通りの戦い方。反対にレッドブルは、スタート直後からメルセデスを引き離さないとダメだったということです。フェルスタッペンがチームに無線で「リヤのトラクションがおかしい」とずっと訴えていたとおり、マシントラブルが生じていて本来のペースでは走れなかったからというのがレッドブルの失速理由でしょう。

レースはそのままのポジションで後半に入っていきます。2回目のピットストップを終え急激にペースアップし、ハミルトンを追い詰めるフェルスタッペン。摩耗でズルズルのタイヤをうまく使いながら必死にポジションを守る、王者ハミルトン。ここまで両者がほぼ同じ土俵でガチでやりあう攻防はあまり見たことがありませんでした。53周目のターン4で1度はフェルスタッペンが前に出ますが、大きくコースアウトしたラインを走ったため、ここはポジションをリセット。残り3周の攻防は息もつけないほどの緊張感でした。結果は0.745秒差でハミルトンに軍配。フェルスタッペンの決死の猛追は敵いませんでしたが、すばらしいレースを見せてくれました。


●見ているほうは楽しめても、本人は納得できず。レース後のフェルスタッペンに笑顔は一切ありませんでした。でもコースをはみ出して抜くのは明らかにNG行為。コース内でも十分抜けたはずなのに、焦ってしまったのでしょうか? 次戦以降に期待です!

メルセデスのマシンが想定より速かったということには、正直驚きました。2週間前のテストの段階では、今季のメルセデスはマシン作りに失敗したとも思えるほどの仕上がりでした。そこからたった2週間で、なんとか最速のレッドブルと戦える位置まで持ってきたのです。これは、チームの開発力の賜物でしょう。このチームを引っ張っているトト・ウォルフ代表がチェッカーの瞬間に見せた、オーバーアクションとも思えるほどの喜び方。あれを見たら、この開幕戦がいかに大変だったのかがわかるものです。

今回は負けたレッドブルですが、ラップタイムを見た限りマシンの絶対的な速さではまだアドバンテージがあるようです。レッドブルの優位な状況は、はたしてどこまで続くのでしょう。当然メルセデス陣営も、もっと速くするマシン開発は続けているので、レッドブルもうかうかしてはいられません。ホンダPU(パワーユニット)のラストイヤー、なんとか有終の美を飾ってもらいたいものです。


ドライバーWeb編集部・青山

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