2021/03/19 コラム

オービスの測定値はホントに信頼できる? 否認裁判の証人、メーカー社員の発言に見る怪しさ

●東京航空計器(TKK)のオービスⅢL型


オービスの否認裁判、証人となるのは誰?



さて、オービスの否認裁判で、検察官はオービスの専門家を証人申請する。大学教授? 博士? 国の専門機関の技術者? いや、検察官が申請する「専門家」はオービスのメーカー社員だ。メーカーには証言専門の社員がいて全国の裁判所を忙しく飛び回っている。その証言を私はあちこちの裁判所でさんざん聞いてきた。TKKの測定方法はループコイル式、三菱はレーダー式。構造的なこと以外、だいたい同じだ。以下、TKKの場合でいく。

検察官「オービスに誤差はありますか?」
社員 「ございます」

ええっ? いきなり誤差を認めちゃったよ、と私も最初は思った。だが、こう続くのである。

社員 「誤差はプラス・マイナス2.5%の範囲に収まります。そこでナマの測定値に0.975をかけ、かつ小数点以下を切り捨てます。よって表示される測定値は0~マイナス5%、マイナス約1キロ毎時となります。実際の速度より高く表示されることはありません」

裁判官はニコニコとうなづく。一瞬不安にさせてから信頼性をがっちり固める、うまいね。もっとも重要なのは「白線」だ。


●オービスⅢL型の少し手前にある白線。ここに違反車両がちょうどさしかったとき、赤いストロボを浴びせて撮影する

社員 「路面下に埋設したスタートループが車両を感知してから、6.9m先のストップループまでの通過時間、そこから速度を測定します。測定値が設定速度(それ以上なら取り締まると警察が決めた速度)を上まわっていると、直ちにタイマーを作動させます。測定した速度で違反車両がちょうど測定地点へさしかかったとき、ストロボを発光させ撮影します。撮影地点には小さな白線があります。本件の写真を見ますと、違反車両のナンバープレートのちょうど下の路面に白線が見えます。まさにそのことが、測定値は正しかったことの証明になるのです」


●オービスⅢL型の原理説明書。総合制度は「0~−5%−1km/h」とある

裁判官は大きくにっこりうなづく。ばっちり有罪だ。多くの事件で弁護人は他車両や違法無線の電磁波の影響などをあれこれ言うが、それで誤測定が起こったなら、ちょうど白線のところで撮影されるはずがない。でしょ? ならばオービスの信頼性は絶対なのか。いや、長年傍聴するうち私はとんでもないことに気づいた。

ドライバーWeb編集部

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