2021/02/24 コラム

近年減少傾向だった速度違反の取り締まりが2020年に増加。可搬式オービスが活躍?



速度違反の取り締まりは、かつて年間200万件を軽く超え、トップの座にあり続けた。なのに近年はどんどん減り、2019年は約114万件にまで落ち込んだ。ところが2020年は約116万件へと、約2.5万件、2.2%増加した。増加幅は小さいが、減少にストップをかけたことは注目すべきかと。

可搬式オービスが大活躍したのか? いやぁ、どうだろう。ものすごく簡単に言うとだ、可搬式はT社とS社が競合する形になっている。おそらくは天下りの関係だろう、警察庁内にT社をゴリ押しする一派がいる。ところがどうやらT社の可搬式は使い物にならないらしい。S社の可搬式は超高性能なのだが、ゴリ押し派としてはS社ばかりが取り締まり実績を上げることは許せないはず。

なので、2020年の速度取り締まりが2019年より約2.5万件増えたことに、可搬式オービスはあまり貢献していないだろう、というのが私の読みだ。当たりか外れか判明するデータが、あと3カ月ほどでゲットできる。楽しみだ~!

ところで、「1 告知・送致件数」の中に駐停車違反、駐車違反の取り締まり件数がある。下のほうに「3 放置違反金納付命令件数」とある。放置違反金は駐車違反のペナルティだ。なぜ別立てになっているのか。

ものすごーく簡単に言えば、駐車違反(または駐停車違反)のペナルティは、違反者か、違反車両の持ち主か、どっちかに課す形になっている。違反者の責任を問うた件数が「1 告知・送致件数」に含まれ、「3 放置違反金納付命令件数」は持ち主の責任を問うた件数、とまぁそういうことだ。

私はねぇ、この一覧表を肴(さかな)に焼酎を飲むのが大好きだ。現場警察官、駐車監視員諸氏がどう尻を叩かれたか、あるいは叩かれなかったか、見えてくる気がするし、今後の交通利権の行方も考えさせられる。面白くてたまらない。変態ですか(泣)。

〈文=今井亮一〉
交通ジャーナリスト。1980年代から交通違反・取り締まりを取材研究し続け、著書多数。2000年以降、情報公開条例・法を利用し大量の警察文書を入手し続けてきた。2003年から交通関係以外の裁判傍聴にも熱中。2009年12月からメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」を発行。

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING