2021/01/18 コラム

戦後間もなくタクシーでも大活躍!? ビートルことVWタイプ1を振り返る【1964年特集Vol.26】

前回オリンピック開催年、1964年を振り返る連載26回目は、driver1964年9月号に掲載したVWタイプ1関して。

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世界現代史の一部「VWタイプ1」



1964(昭和39)年のdriver誌9月号では、くしくも同号で顔をそろえた偉大な大衆車を採り上げてきた。スバル360(連載第23回)、イギリスからはモーリス ミニ クーパー(連載第24回)。そして、最後にドイツ。言うまでもなく“ワーゲン”だ。


●フォルクスワーゲン タイプ1

フォルクスワーゲン(VW)1200。型式名は「タイプ1」
のちにドイツを狂気へと走らせるアドルフ・ヒトラーが、アウトバーン建設とともに国民車構想として計画。フェルディナンド・ポルシェが長年暖めていた研究を基に“発明”した。プロトタイプは1938(昭和13)年に完成。量産直前に第二次世界大戦が勃発すると、キューベルワーゲンなど軍用車のベースにもなった。戦後晴れて生産が再開されると人気はドイツから世界中へ広がり、やがて四輪乗用車の単一モデルにおける総生産台数の最多記録を打ち立てる。世界現代史の一部と言ってもいいその軌跡は、あまりにも有名だ。

1964年の誌面は「外車紹介」。driver誌が提携していた英「MOTOR」誌のロードテスト記事と、続く渋谷三郎氏の「“ヘンな”試乗記」で構成されている。タイプ1が戦後日本のモータリゼーションにも深く関わったことは、冒頭でわかる。

「ワーゲンのタクシーが、東京を走りまわっていた終戦直後のこと…。ある新聞が、およそこんな意味のコラムを載せた。
『――“ワーゲンで行こうぜ”というのが、最近の若い人たちの合い言葉らしい。街角に2、3人でたたずんで、ワーゲンのタクシーを待っている姿をよく見かける。西ドイツの復興とともによみがえった甲虫スタイルが、生き生きとした青春のシンボルのように、若い人たちの目にうつるのだろうか。――』」(文中より、以下同)

ドライバーWeb編集部

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