2021/01/13 コラム

無免許運転の罰則とは? お金で済まされない…前科があると執行猶予なしの懲役刑!

初犯だと罰金30万円が相場なのに



この短い記事から読者は何を感じるのだろう。以下は1月9日の徳島新聞だ。

無免許運転の78歳男に懲役9月/徳島地裁
徳島地裁は8日、徳島市の無職の男(78)に道交法違反罪で懲役9月(求刑同1年)の判決を言い渡した。
 男は8月8日午前1時37分ごろ、徳島市秋田町1の市道で軽乗用車を無免許運転した。

ほとんどの方は「へえ」と思って終わりなんじゃないか。だが、私は交通違反マニアであり裁判傍聴マニアでもある。無免許および無免許がらみの裁判だけで650件ほどか傍聴してきた。その立場から、直ちにこう感じる、「だいぶ前科があるのだな!」と。

無免許運転の罰則は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」だ。その範囲内で、普通車(軽乗用車も含む)で初犯だと、略式の裁判手続きにより罰金30万円が相場だ。物損事故を起こすと、初犯でも公判請求(正式な裁判への起訴)をされることがある。そうなるのが初めてなら、懲役5月程度、執行猶予3年が相場だ。

無免許運転のみで、いわゆる実刑、執行猶予なしの懲役刑を食らうのは、前科があるケースだ。例えば、無免許で執行猶予中にまた無免許で捕まったとか、無免許で実刑判決を食らって服役し、出所後5年以内にまた無免許で捕まったとか、そういう人たちが、裁判の法廷へ続々と出てくる。

無免許で懲役9月(きゅうげつ)のケースも私は傍聴したことがある。免許取り消し処分を受けてから飲酒運転をやって罰金刑を受け、さらに無免許運転をやって執行猶予判決を受け、猶予期間が満了したあとに無免許でまた執行猶予判決を受け、その猶予中にまた無免許をやってとうとう実刑判決を受け、「実刑は重すぎる」と控訴。高裁でその控訴審が始まる半月前にまた無免許をやり、始まってからまた無免許をやり…。私が傍聴したのは、控訴審が始まる前後の無免許2件、についての判決だ。それが懲役9月の実刑だったわけ。

控訴審が始まる前後に2件、という部分はちょっと珍しいが、とことん無免許運転を重ねて刑務所へ行く人はよくいる。
・クルマを使えば便利な用事がある。
・目の前にクルマと道路がある。
・目の前に警察官がいない。
以上3つの条件がそろえば、するする運転席に乗り込み、ハンドルを握って走り出す、困ったことだが”交通社会あるある”のひとつと言っていいように思える。

ドライバーWeb編集部