2021/01/12 コラム

高速120km/h区間で突然の50km/h規制…そのとき木下隆之は!?|木下隆之の初耳・地獄耳|

「高速道路を走っていて、突然速度表示が変わりますよね。あれは取り締まりのトラップですか?」
担当Kの言いたいことはよく理解できた。

例えば関東在住で、東名高速道路を頻繁に走行する御仁ならご存知だろう。東名高速上り線、御殿場から東京に向かう。足柄サービスエリアを過ぎたあたりから、それまで100km/hだった法定最高速度が80km/hになるのだ。よくよく目を凝らしていないと、看板を見落とす。そのタイミングで、走行車線で息を潜めていた交通機動隊の覆面パトカーが狩りを始める。100km/h前後で巡航しているドライバーには飛ばしている意識はないから、覆面パトカーの存在は見落としがちだ。あえなく御用である。

「それじゃ、この50km/h規制も同じワナですか?」
まあ、速度規制や取り締まりには理由があると思いたい。交通の安全のために取り締まっていると思いたい。大義名分がある。だが、たしかにその日、担当Kと取材のための移動中に目にした50km/h速度規制の看板には、その理由がまったく理解できなかった。

突如として50km/h規制の表示が現れた。よく晴れた日の午後だった。道は空いている。空には青空が広がっていた。
「あれ、なんすか?」
「この先に、落下物でもあるんじゃない?」
「もしくは豪雨とか?」

そこは完成したばかりの新東名高速道路だった。路面は整っている。最新のハイウェイだから、道幅にも余裕がある。最近で、法定最高速度を120km/hに改めたルートである。
「速度、50km/hまで落としますか?」
「いや、それは危険だ。追突されるよ」
「でも、法定最高速度は50km/hと指示しています」
交通は120km/h前後で流れている。そこを50km/hで走行したら、速度差は70km/hだ。危険なのである。

それからしばらく走ったものの、落下物もスコールもなく、またいつものように、何事もなかったように120km/h表示が現れた。
「⁉︎」
「なんだったんです?」
まったく不可解なのである。

後日、警察に問い合わせると、想像どおりの対応だった。
「それは危険だから実施した速度規制。速度違反で取り締まるよ」
つまり、納得できる理由が得られなかった。

運転免許証の反則点数よりも命のほうが大切だから、さすがに急減速はしないし、トロトロ運転もしたくない。でも、それでも取り締まられるという。

どなたか答えをご存知の方、教えてください・・・

〈文=木下隆之〉

ドライバーWeb編集部

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