2021/01/08 ニュース

豊田自工会会長の年頭メッセージを読み解く。すべては日本のため、そして世界のため

●自工会 豊田会長からの年頭メッセージ動画より(https://youtu.be/cz3xzBG0pSo)



クルマをEVにすれば解決するわけではない



本当にカーボンニュートラルを達成しようというならば、クルマをEVにするより先に、まず工場を動かす電気だってカーボンフリーにする必要がある。EVを増やしていくならば、そのための発電能力の増強、インフラの充実もマスト。単に自動車メーカーが生産するクルマをEVにすれば簡単に解決する話ではなく、まさに国全体、社会全体で考えるべき話だ。そのためには、本当の意味で自動車産業が一丸になって物事にあたっていく必要がある。まさに「自動車業界が動けば、もっと日本の、そして世界の力になれる」のだ。

最後に私からの提言。こうしてEVシフトを煽る論調に対する、日本自動車工業会としての見解を、しっかり世界に発信していくべきではないだろうか。さらに言えば世界中の類する団体、例えばヨーロッパで言えばASEA(Association des Constructeurs Europeens d’Automobiles・欧州自動車工業会)などと連携を強めて、世界の自動車産業全体で、本当の意味でのサスティナビリティを志向するかたちをリードしていってほしいとも思う。

私は550万人の中には入らないと思うが、この先の未来もクルマでの移動の自由を思い切り享受したいし、そのためには真の意味で環境負荷の低減が実現されなければならないという思いは一緒。それもあり、期待をかけすぎかもしれないが、昨年の組織改革を経て今の日本自動車工業会であれば、それができるはずだという思いを込めて記した次第だ。

〈文=島下泰久〉

ドライバーWeb編集部

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