2020/12/24 新車

【担当者に聞いた】1mm単位で微調整!N-BOXカスタムがナンバープレートを真ん中にしたのはなぜ?

N-BOXカスタムがナンバープレートを真ん中に配置にした理由


2020年12月24日にマイナーチェンジしたN-BOXのデザインについて、担当したデザイナーの石川厚太氏にお話を伺った。

デザインの狙いは?

今回の狙いとしては、ノーマルとカスタムの違いをより明確化したいというのがありました。それを達成するうえで、カスタムはライセンス(ナンバープレート)の位置をセンターにすることで、パッと見たときの印象が変わると思いました。断言はできませんが、(ナンバープレートの)運転席側にオフセットされた配置はお客様によっては軽自動車のアイコンと捉える方もいらっしゃいますので、センター配置によって、まるで普通車のような、という演出できると考えています。


●N-BOXカスタム Lターボ コーディネートスタイル


●N-BOX Lコーディネートスタイル

センター配置はそんなに難しいの?

これはデザイン発のアイデアで推進してきました。途中からライセンスをセンターに持って行けないかという話を私から持ちかけたりしました。当初は従来どおりの配置でやっていたのですが、途中から位置を変えました。

しかしながら、センターライセンス化によって乗り越えないといけない壁が。ライセンスを真ん中に置くことで、ラジエターに空気を送る開口面積が阻害されますので、それをどう担保するか。設計の人に話をすると「つらいよ」と言われました。でもN-ONEはセンター配置です。N-ONEがやっているから、できるのではということで話を持ちかけたのですが、必要となるラジエターの開口面積が、微量ながらN-BOXのほうが要件がより厳しい(車両の負荷が大きかったり、車重が重いとより熱が発生する)ということが判明しました。本当に1mmずらしただけで、冷却性能の数値が変わってくるので試行錯誤をしました。



開口面積に非常に苦労したので、これは実現できないかなという思いもありました。細かいのですが、ライセンスのすぐ上、メッキ部分のすぐ下の部分に穴が開いているのですが、もともとは穴がない状態でデザインしていました。今回、(センター化によって)開口面積が足りないので穴を開けたのです。

また、ライセンスの台座面がありますが、その側面部分が厚いほど空気が入りづらかったりします。厚さを抑えつつ、下側の面で見えない部分を削って空気が入るようにしました。あとはライセンス自体を1mm単位で上げていくなど、設計とのやりとりを繰り返して、開口面積を確保しました。本当に1mm単位でした。

そのほか、難儀した点は?

マイナーチェンジ前のN-BOXカスタムは、今までのカスタムとは違った路線で攻めてきたと思っています。というのもメッキぎらぎらという路線から、メッキ少なめのスマートな印象のカスタムを作り出したんです。今回はそれに対してスマートさはキープしつつも、顔の押し出し、顔の強さというのを出したかったという点で、そのバランスが非常に難しかったですね。

最近ホンダのデザインは“シンプル”をうたっていますが、そことの兼ね合いは?

その話でいきますと、押し出しの強さをメッキ加飾の多さだったり、威圧するような押し出し感とは一線を画したような強さを出したかったのです。スマートですが、しっかりと芯を感じるような強さをN-BOXカスタムの強さをイメージしてデザインしました。派手で目立てばいいという路線ではないと思っています。既存のお客様も満足させたいし、さらに別のお客様にも振り向いていただきたいというところも踏まえて、そのあたりの塩梅、テイストの塩梅に苦労しました。普通車にも引けをとらないようなファーストカーとしてご満足いただけるような存在感を目指してデザインしたつもりです。

標準系はあまり変わっていないように見えるのですが、もっと変えようというアイデアはあった?


●N-BOX Lコーディネートスタイル

スケッチ上で変えてみるなど、一度考えたことはあったのですが、やっぱり何か違うよねというような議論に。ただ、お客様の気持ちを考えたときに、変える必要がないだろうというのが、結論でした。変わっていないんだけど、変わっているといった路線は何だろうという話に。当然コストの話も出ましたが、コストをかけたくないから変えないというよりは、お客様の気持ちを考えたときに、いま顔に足りないものは何かというような考え方でデザインしていったほうがよりお客様のためになると。逆にカスタムはより変化幅を大きくして、もっとお客様に喜んでいただきたいという方向になりました。ノーマルとカスタムの2つの存在をより離すことによって、ユーザー層を増やしていこうというようなイメージです。

お客様にご好評いただいている商品を、好評なのに変えるという点で、お客様がほかに何を望んでいるのかを考えるというのがやはり難しかったところですね。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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