2020/11/24 コラム

トンデモ逆転裁判!公務員が80キロのスピード違反…失職逃れて罰金刑に!


なななんと。失職逃れて逆転罰金刑!



裁判長「主文。原判決を破棄する…」

なにいっ! ま、まさか! 裁判長が続けた。

裁判長「…被告人を罰金10万円に処する。その罰金を完納できないときは金5000円を1日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。以上が主文です」

なんと逆転罰金刑!!! 私は傍聴席で思いっきり変顔になった。といってもマスクを着けているので、眉をつり上げ目を見開いただけだが(笑)。いったいなぜ罰金刑に?
                                    
裁判長「深夜、交通量が少ない…前科がなく、贖罪寄付(金額不明)…失職の不利益を踏まえて検討しても、懲役刑はやむを得ない…原判決が不合理であるとまでは言えない…」

ということは、原判決後の情状を酌んで逆転判決としたわけだ。前回の被告人質問には特にそんなものはなかったように私は思うが…。裁判長はこんなふうなことを述べた。

裁判長「しかしながら本件は、罰金刑の選択が拒否されなければならないとまでは言えない。起訴休職により給与が7カ月間、大幅に減額され、一定程度の社会的制裁を受けている。交通遺児の手記を読むなど反省を深めている。板橋区の条例では(本件で失職すれば)退職手当が全部または一部が支給されない。勤続26年…。原判決に現れていないこのような不利益を考慮すれば、原判決は現時点では重すぎる結果になったというべきである」

私からすれば「えーっ!?」だ。それっぽっちのことで逆転罰金刑とは解せない。もっと大変な事情があるケースでも「どうか罰金刑に!」という懇願は蹴られてきた。なのに本件は、なぜ? 絶対おかしい。私としては2つのことが想像される。けどそこは非常にマニアックな長い話になる。今回は省略しよう。

とにかくこの事件は「罰金のスピード違反で停職2カ月の懲戒処分とは、公務員もたいへんだね」ではないのである。普通なら失職が当たり前のところ、停職2カ月ぽっちですんで超ラッキー、良かったね~! なのである。ほんとびっくりしましたよっ。

〈文=今井亮一〉

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING