2020/11/21 新車

【最新輸入車試乗記】アウディA4は単なるフェイスリフトにとどまらない進化を遂げていた!|アウディ A4 45 TFSI クワトロ Sライン|

アウディもいつの間にかQ2からQ8まで、「Qモデル」と呼ばれるSUVのラインアップが充実し、今や販売の大きな割合を占めるようになった。またピュアEVのe-tronも登場し、大きな注目を集めている。しかしセダン/ワゴン系モデルの存在も忘れてはいけない。近年アウディのセダン/ワゴン系モデルは、A6を筆頭に動的クオリティの向上が著しいのだ。

【最新輸入SUV試乗記】ようやく日本導入のアウディQ3/Q3スポーツバック。選びどころはスタイルか、パワートレーンか

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● A4 45 TFSI クワトロ Sライン
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●A4 45 TFSI クワトロ Sライン

フルモデルチェンジ並みの大改良

今回登場したA4のフェイスリフトバージョンは、「フェイスリフト」と言いつつも、その内容はフルモデルチェンジに近い。まずエクステリアは、フロントグリルやヘッドライトなどディテールの変更にとどまらず、フェンダーやドアパネルなど、ほぼすべてのパネルを一新。全幅が従来モデル+5mmの1845mmへと拡大している。グレード構成はベースモデルのほかadvanced、Sラインの3種類を設定する。


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インテリアには、最新のインフォテインメントシステムであるMIB3を採用。センターディスプレイはタッチパネル式となり、コックピットまわりはシンプルでスッキリとしたデザインとなっている。先進運転支援システムも歩行者検知機能付きのアウディプレゼンスシティや、渋滞追従支援機能付きアダプティブクルーズコントロールなどが備わり、安全性や快適性が一層高められている。


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さらにパワートレーンは、150psおよび249psの2種類の2L直4直噴ターボに、最大60Nmのトルクを発生する12Vのリチウムイオンバッテリーとベルト式オルタネータースターター(BAS)を用いたマイルドハイブリッドシステム(MHEV)を採用。ブレーキエネルギー回生やエンジン停止制御も行うコースティング走行機能も盛り込んで、よりいっそうの高効率な走りを実現する。
 


スポーティグレードのアウディ A4 45 TFSI クワトロ Sラインを試す

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今回試したのは、A4 45 TFSIクワトロSライン。最高出力249ps/5000〜6000rpm、最大トルク370Nm/1600〜4500rpmの2L直4直噴ターボを搭載した4WDモデルで、直4搭載モデルでは最もスポーティな仕様である。
 
走り出して、まず感じたのは出足の軽さだ。アクセルペダルを軽く踏み込んだ瞬間、ほとんどタイムラグを感じることなく、クルマがスッと前へ滑り出す。エンジンのレスポンスはよく、低回転から太いトルクを発生するが、回転が上がる前にBASの電気モーターが押し出す感覚で、1610kgの車両重量をまったく意識させない。電気モーターとエンジンの繋がりもシームレスだ。
 
ワインディングロードでも軽快な印象は薄れない。エンジンはとてもトルクフルで、吹き上がりも軽く、なかなか力強い加速が味わえる。デュアルクラッチ式トランスミッション(DCT)の7速Sトロニックも俊敏で正確な変速を見せる。
 
ハンドリングも明らかに進化した。クワトロシステムは、新たに通常時は完全な前輪駆動状態で走行し、走行状況や路面状態に応じて後輪に駆動力を配分する、AWDセンタークラッチを備えたクワトロ・ドライブを採用。ステアリング操作に対してリニアかつ俊敏なハンドリングと、すっきりとした上質なステアリングフィールを味わえる。
 

乗り心地は格段にアップ

快適性も一段と向上した。試乗車はオプションの電子制御可変ショックアブソーバーのダンピングコントロールスポーツサスペンションを装着していたのだが、従来モデルよりも明らかにしっとりとしていて、滑らかな乗り心地なのである。またアコースティックガラス(フロントサイド、オプション)の効果もあって、静粛性もとてもよく、コンフォート性能は従来モデルに比べて確実に向上したと感じられた。
 
現行のB9系アウディA4は、MLB evoプラットフォームを採用したという割には、デビュー当時、少々乗り味が荒く感じられたのだが、その後も進化し続けていた。だが今回のフェイスリフトで、特に動的質感が飛躍的に高まったように感じる。「ドイツ車は熟成しきったフルモデルチェンジ直前が買い時」とよく言われるが、A4に関しては“今こそ買い時”である。
 
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[A4 45 TFSI クワトロ Sライン(4WD・7速DCT)主要諸元]

【寸法・重量】
全長:4770mm
全幅:1845mm
全高:1410mm
ホイールベース:2825mm
トレッド:前1560mm/後1545mm
最低地上高:120mm
車両重量:1620kg
 
【エンジン・性能】
型式:DDW
種類:直4DOHCターボ
総排気量:1984cc
最高出力:183kW(249ps)/5000〜6000rpm
最大トルク:370Nm(37.7kgm)/1600〜4500rpm
使用燃料・タンク容量:プレミアム・58L
WLTCモード燃費:12.9km/L
最小回転半径:5.5m
乗車定員:5人
 
【諸装置】
サスペンション:前後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ:前後Vディスク
タイヤ:前後245/40R18
 
【メーカー希望小売価格】
627万円
 
 
 
〈文=竹花寿実 写真=岡 拓〉
 

 アウディジャパン
TEL:0120-598106
https://www.audi.co.jp/

ドライバーWeb編集部

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