2020/10/31 コラム

まさか!ジャパン(5代目 日産スカイライン)とソリオの意外な共通点

編集部・土田は以前、中古で手に入れたジャパン(5代目 日産スカイライン)の後期型ハードトップに乗っていました。齢四十半ばの彼にとって、同車は幼少期の憧れそのもの。『西部警察』で大門圭介(団長=渡哲也)が駆るマシンXに胸を熱くしたご同輩も少なくないと思います。

“ケンメリ”(C110型)の後継として1977(昭和52)年8月に登場したジャパン(C210型)。21世紀も20年がたった令和の今、あらためてそのカタログ(スペック)を見返して、けっこう驚いたのです。

そんなわけで、ここでは、発売当時大ヒットした5代目スカイライン(ジャパン)を基準に、現行車との「まさか!」な共通点を探しにまいりましょう。※比較は直6エンジン搭載車

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【全幅が1625㎜しかない件】


まず全幅。これは、思わずカタログを二度見したほど。1625mmの車幅は、なんと現行型スズキ ソリオと同じ。これはトヨタ ヤリスやホンダ フィットより70mmも狭いのです。ちなみに同年代のセドリック/グロリア(430型)の5ナンバー車でも1690mm。フェンダーモールが付く写真のE・Xタイプは(それでも)1635mm。



【現行ミドルクラスSUV並みの全長】


ジャパンの全長は、セダン・ハードトップともに4600mm。現行車でちょうど同じなのはRAV4(アドベンチャーを除く)。これは逆に、「このころからスカイラインって長かったのね」という感じですかね。ちなみに現行V37型スカイラインの同値は、ジャパンより210mm長い4810mmです。



【RC Fと同じ高さって、低くない?】


ジャパン セダンの全高は、レクサス RC Fと同じ1390mm。現行型では低い部類にあたります。そもそも、現行の国産車で全高1400mm以下のモデルがとても少ないことに、あらためて気づかされました。ちなみにハードトップは、セダンより15mm低い1375mmです。



【室内幅は…Nボックスとほぼ同じ】


ジャパンの室内幅(セダン1360mm、ハードトップ1345mm)は、現行型Nボックス(1350mm)とほぼ同じ。筆者が乗っていたころは2Lターボ車なりの車格と広さを感じたものですが…実寸は今の軽自動車並み。ちなみに前出のソリオ(同じ全幅)の室内幅は、ジャパンよりも60〜75mm広い1420mmです。



ひさびさに母親を背負ったら軽くて驚いた…ではないですが、発売当時、あれだけ大きく見えた国産ベストセラー車は、思っていた以上の小ささ。そりゃ40年以上もたっているのだから当然と言えば当然です。でも、ボディの拡大は、今求められる安全要件を満たすために必要であり、ただ肥大化しただけではなく、パッケージング効率も劇的に進化しています。



【ハンパない2Lターボの進化】


それ以上に進化したのがパワートレーン。日本初の量産ターボ車として80年発売の後期型ジャパン(初搭載は79年のセドリック/グロリア)に搭載された2L・OHCターボのL20ET型。『夢のスカGターボ』などとも呼ばれましたが、その性能はグロス145馬力/21.0kgmと、今の実用車レベル。現行型で同じく2Lターボを積むシビック タイプRの出力に至っては320馬力/40.8kgmと、進化の度合いはまさに驚異的。



【たとえ今の普通車レベルでも】


「昔はよかったよねぇ」としみじみ…なんてつもりはありません。こと工業製品(機械モノ)の性能については、やっぱり最新のものが最良なのですから。でも、クルマの魅力って、性能だけじゃ計れません。

前述した『西部警察』における、マシンXの出動シーンで流れる排気&タービン音。所有してわかったんですけど、あれって絶対L20のじゃないです(笑)。でも夢は、思いっきり膨らみました。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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