2020/10/24 カー用品

【ジムニーをリフトアップでキメる!】過酷な道で鍛え上げられたTEINのJB64ジムニー用「4×4ダンパースポーツ」を試す

待望のフルモデルチェンジから丸2年が経過した4代目ジムニー。早々に手に入れた人だと、そろそろ純正サスペンションの乗り味に飽きて社外の足まわりを検討するころ……だが、いまだに大量のバックオーダーを抱えている。納車が待ち遠しいという人も多いと思う。
 
そこで、ひと足早くオーナー気分を味わってもらうために、ジムニーのカスタムメニューで人気の高いリフトアップを手軽に楽しめる、テインの「4×4ダンパースポーツ」の試乗記をお届けする。

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TEIN ジムニー 4×4ダンパースポーツ

手軽にリフトアップスタイルが楽しめる
「4×4ダンパースポーツ」

 「ローダウン」が主流のテイン製品のなかで異色の存在が、4×4(フォーバイフォー)ダンパースポーツ。これは、市街地走行からオフロード走行まで想定し、優れた耐久性と走破性を両立したクロスカントリー4WD用ダンパーだ。保安基準対応だから装着後も構造変更の必要がなく、安心してリフトアップを楽しめる。
 
テインはラリー用ダンパーを除くとリフトアップの知見が少なかったために、日本国内や海外の子会社で実走テストを重ねてリフトアップダンパーのノウハウを蓄積したという。海外に主眼を置いて開発を進めた理由は、日本とは比べ物にならないほど使用状況が過酷だからだ。
 

過酷な環境に耐える製品開発

日本におけるリフトアップはドレスアップ目的がほとんどだが、海外ではリフトアップでロードクリアランスを稼ぐことで、悪路走破性を高めるためのものといった、より実用に即したカスタマイズが主流だ。本製品も東南アジアや中国の内陸部、モンゴル、オーストラリアなどの過酷な道で徹底的に鍛え上げた。
 
テインでは、今回試乗したJB64W型(現行ジムニー)向けに、4×4ダンパースポーツのほかにネジ式車高調の「ストリートアドバンスZ4」を設定する。こちらは基準車高を純正車高から1インチ(約25mmアップ)前後で、コイルスプリングの下にスペーサーを噛ませることで、2段階で車高調整できる構造としている。

TEIN ジムニー 4×4ダンパースポーツ_フロント
 
4×4ダンパースポーツの基準車高は純正から1.5インチ(約40mmアップ)で、前述した車高調整機構を組み込むのはスプリングの密着性やブレーキホースとの兼ね合いで無理があるので、車高調整機構は省かれている。ちなみに、ジムニー用ダンパーには構造上、減衰力を自動調整するEDFCは装着できない。
 
一般的に車高を落すとダンパーのストロークが減るのに対し、車高を上げていくとダンパーの「縮み側」のストロークは増えるものの、「伸び側」のストロークが不足し、接地感が損なわれる。例えばコーナリング中にロールが発生する際、外輪側には荷重が掛かってダンパーが縮むのに対し、荷重の抜ける内輪側のダンパーは伸びるが、縮み側がスムーズに伸びてこないと内輪の接地感が薄くなる。
 
TEIN ジムニー 4×4ダンパースポーツ_リヤ

リフトアップに合わせたセッティング

ずばり、4×4ダンパースポーツのセッティングのキモは「リバンプストローク」にある。そして、車高を上げていくとキャンバー角がポジティブ(車輪を正面から見たときにタイヤの上面が車体の外側に傾いている=逆ハの字)状態になり、操縦安定性に影響を及ぼすのでブラケットなどでキャンバー角を補正する必要がある。
 
4×4ダンパースポーツは車高を上げた状態で適切なアライメントになるようにキャンバー角が補正されている。装着にはブレーキホースとロッキングホースの交換が必須(推奨ブレーキホースは純正比50mmロング)で、キャスター補正ブッシュとラテラルロッドの交換も推奨している(試乗車はブレーキホースがK-Products、ロッキングホースがJ-UPカンパニー、キャスター補正ブッシュはJAOS製品を装着)。さらに、リフトアップに伴って助手席側の前方下が死角になりやすく、保安基準(直前側方視界基準)を満たすために、フロントビューカメラや補助ミラーなどの前方視界確認機構の増設が必要になる。
 
一般的にはリフトアップすると重心が高くなることで直進安定性が損なわれ、ステアフィールもあいまいになるなどネガティブな印象を受けるが、純正車高に比べてフロント+55mm、リヤ+40mmのジムニー用4×4ダンパースポーツの走りはいかに。
 

TEIN ジムニー 4×4ダンパースポーツ

安定感のある素直なハンドリング

まずは高速道路から。試乗コースの圏央道は相模川沿いを走り、横風が強く吹くコンディションだったが、予想を覆して直進安定性が抜群にいい。大型トラックに追い抜かれる場面でも挙動を乱されずに直進をキープできる。
 
ランプウェイや緩やかな高速コーナーでは素直なハンドリングが際立つ。純正サスは中立から微小舵を当てたときのフィーリングが少しあいまいで、応答遅れが気になったが、4×4ダンパースポーツは手応えが明確になり、操舵と車体の動きが一致するようになった。
 
続いて、河川敷のオフロードコースで悪路走破性を確認してみる。大きな石ころが転がる傾斜地を試してみたが難なくクリアできた。ブレーキLSDトランクションコントロールなど、ジムニー自慢の電子制御が働いていることも大きいが、ダンパーがしやなかにストロークし、4輪で路面を捉えている印象だ。
 
TEIN ジムニー 4×4ダンパースポーツ

独自機構「H.B.S」がラフロードでも効く 

さらに、深い水たまりやギャップなど、ダンパーに大きな衝撃が加わるシーンはどうだろうか。筆者は強い突き上げに備えて身構えていたが、拍子抜けするほどスムーズにいなしてくれた。これがH.B.S.(ハイドロ・バンプ・ストッパー)の作用だろうか。ダンパー内部に組み込まれた専用バルブが、定位置を超えてストロークすると高い減衰力を生み出して衝撃をしなやかに吸収。バンプラバーによる跳ね返りもなく、ダンパーのストロークをフルに発揮させる、テイン独自の機構だ。

TEIN ジムニー 4×4ダンパースポーツ
 
乗り心地や操安性など、見た目のカッコよさと引き替えに失うものも多いリフトアップのデメリットをなくし、走破性が高まることでジムニーの本領を遺憾なく発揮できる本格派の4×4用サスペンション。「純正車高+5cmのゆとり」が、行動範囲を広げてくれる。
 


[JB64ジムニー用4×4ダンパー スポーツ製品概要]

■スペック
・複筒式構造
・16段伸/縮同時減衰力調整機構
・H.B.S.(ハイドロバンプストッパー)を搭載
・アッパーマウントは純正を使用
・3年または6万kmの製品保証
 
■スプリングレート
フロント:2kg/リヤ:2.2kg
 
■基準車高(純正車高比)
フロント:+55mm/リヤ:+40mm
 
■車高調整範囲
車高調整不可
 
■EDFCシリーズ装着適合
車体構造上取り付け不可
 
■価格(品番)
10万6700円(VSUC2-D1SS2)
 
■備考
装着にはブレーキホース・ロッキングホースの交換が必須となる。
(ブレーキホース推奨:純正比50mmロング)
併せてキャスター補正ブッシュ&ラテラルロッドの交換を推奨



 [デモカーデータ]

■ジムニー XC(型式:JB64W)
■足まわり:TEIN「4×4 DAMPER SPORT」
■ホイール:ENKEI「all four」16×5.5J インセット20
■タイヤ:DUNLOP「GRAND TREK AT3」175/80R16


 
〈文=湯目由明 写真=岡 拓〉

ドライバーWeb編集部

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