2020/10/15 新車

みんなはどのグレードを選んでいる? 新型レヴォーグ正式発表!

(左)STIスポーツEX(右)GT-H EX

アイサイトX搭載グレードは38万5000円高



すでにテストコースサーキットでのプロトタイプ試乗記をお届けした新型2代目レヴォーグ。「継承と超・革新」をうたう性能の一端は、すでにお伝えしたとおり。もはや正式発表されていないのは価格だけ・・・という状態だったが、ようやくそのすべてが明らかになった。



■バリエーション&価格
駆動方式:4WD
エンジン:1.8Lターボ
トランスミッション:8速CVT
グレード:GT(310万2000円)/GT EX(348万7000円)/GT-H(332万2000円)GT-H EX(370万7000円)/STIスポーツ(370万7000円)/STIスポーツ EX(409万2000円)

さっそく新旧の価格を比べてみよう。まず、新型のボトムグレード「GT」と先代の同等グレード「1.6GT アイサイト スマートエディション」では、新型が9万9000円高。これがトップの「STIスポーツ」(先代は1.6Lで比較)どうしになると、その差は7万7000円に縮小する。

さらに300馬力/40.8㎏mを発揮した2Lターボエンジン搭載の先代「2.0STIスポーツ アイサイト」とでは、価格差が逆転。ZF製の電子制御ダンパーによるドライブモードセレクトが標準となる新型STIスポーツのほうが、前者よりも約42万円安価な設定となる。

2Lとの比較は特にパワーが異なるため(新型は177ps/30.6㎏m発揮の1.8Lターボのみを設定)同じモノサシで測るのは強引かもしれない。とはいえ、先代1.6Lとのハードウエア面での比較では、進化したスバルグローバルプラットフォーム(SGP)を導入した最新の車体に世界トップレベルの熱効率を実現した完全新設計の1.8Lボクサーエンジンと、その違いは圧倒的だ。

さらにレヴォーグの超・革新の進化は、先進運転支援システム(ADAS)にも。その核となるアイサイトは、構成するシステムを刷新。自動ブレーキの作動範囲を交差点内にまで拡大。そして新設のEX系に搭載されるアイサイトX。国内ではBMW、日産に次いでハンズオフアシスト(レベル2)を実用化した。

内に輝くハイライト



クロスオーバーSUVが世界的に隆盛を極める今、初代以上にステーションワゴンであることを前面に押し出した新型。シルエットこそ先代の雰囲気を色濃く残しているが、目鼻立ちはよりシャープで彫りは深く。たたずまいから走りを予感させるエクステリアは、新デザインコンセプト「BOLDER」を体現。SUVユーザーを振り向かせるには十分な魅力にあふれている。

そのボディ。初代レヴォーグは4代目レガシィツーリングワゴン(全長を5ナンバーサイズにとどめ、いわば日本市場向けにパッケージングを煮詰めた最終型)のサイズ感を参考に開発された。が、新型の全長は初代プラス65㎜の4755mmと3ナンバー化。全幅も同車比プラス15mmの1795mmに拡大。全長増分のうち20mmがホイールベース延長分で、室内長の拡大に充てられている。

5代目レガシィでいきなり突きつけられた「うすらデカさ」は皆無。でも全幅は、じつは新型レヴォーグのほうが同車よりも幅広いのだ。  

エクステリア以上に、インテリアは機能、質感とも革新的な進化を遂げた。ハイライトはEX仕様に標準装備の、インパネ中央の縦型大型ディスプレイとフル液晶メーターから成るデジタルコックピット。

そのEX仕様は、全グレードに38万5000円高で設定。標準仕様にも縦型大型ディスプレイはセットオ プションで設定されるが、メーターは自発光式となる。何よりアイサイトXは付かない。ちなみに2020年8月20日から10月14日までの先行受注台数は8290台。EXグレードを選択した人は93%とのことだ。

プラットフォームがさらに進化

●SGPを基本に、まずはピラーなどのコアとなるフレーム部を溶接。最後に外板パネルを接合するフルインナーフレーム構造を導入。ほかにも構造用接着剤の使用範囲をインプレッサ比で約4倍とし、樹脂リインフォースの採用など、第2世代SGPと言うべき進化を遂げた

熱効率40%達成の新世代ボクサー搭載

●完全新設計のCB18型直噴ターボ(DIT)エンジン。フリクション低減のためシリンダーの中心軸とクランクピンの中心軸をずらした(左右バンクとも8㎜)、スバル初となるオフセットシリンダーを採用。コンロッドも先代FB系の斜め割りからEJ系と同じ水平割りとなる

キャラクターが変わるドライブモードセレクト

●ZF製電子制御ダンパーを装着するSTIスポーツ系の専用装備。基本モードはコンフォート/ノーマル/スポーツ/スポーツ+の4つで、パワーユニットのほか、パワーステアリング、AWD 、アイサイト、エアコンまでを統合制御。インディビジュアルはそれぞれを好みで選べる


新型レヴォーグから追加されたキホンの衝突回避機能

●緊急時プリクラッシュステアリング

●前側方プリクラッシュブレーキ&警戒アシスト

全車に標準装備される基本のアイサイト・・・いわば「コアテクノロジー」は、従来型よりも性能が大幅に向上。まず、新型の広角ステレオカメラ採用によって、検知範囲が従来型よりも拡大。自車右折時の車両と自車右左折時の歩行者、道路横断時の歩行者にも対応し、自動ブレーキによって衝突を回避、または被害を軽減する。 さらに、左右の見通しが悪い交差点などでは前側方から接近する車両をレーダーで検知し、警報とブレーキ制御で衝突回避を支援する前側方プリクラッシュブレーキ&警戒アシストのほか、走行中、ブレーキ制御での衝突回避が難しい際に、操舵制御で回避動作をサポートする緊急時プリクラッシュステアリングも標準装備。

3D高精度地図データと準天頂衛星情報を使ったアイサイトX

●「渋滞時ハンズオフアシスト」や「アクティブレーンチェンジアシスト」、「ドライバー異常時対応システム」のほかにも、車両停止から約10分以内であれば前走車に続いて自動発進する「渋滞時発進アシスト」、高速域でのカーブ手前や料金所で自動減速して安全性を高める「カーブ前速度抑制」、「料金所前速度制御」の6つの高度運転支援機能が備わる


●STIスポーツEX

●EX系に標準の11.6インチ センターインフォメーションディスプレイは、まさにタブレット端末を縦置きしたような印象。車両の各種設定もディスプレイ内に集約され、操作は簡単でわかりやすい。ナビとオーディオ、エアコンは音声操作も可能

●EX系以外はオーディオレスが標準となる(写真はGT)


●トリコット/ファブリックシート(ブルーステッチ GT-H EX)


●シートはベーシックなGTでも、運転席8ウエイパワー機構と前席シートヒーターが標準装備。表皮も上級のGT-Hはスポーティかつ上質なイメージのブラックのトリコット/ファブリック(写真)。STIスポーツはボルドー/ブラックの本革となる。後席のリクライニング機構は先代より継承。後席エアコン吹き出し口も備わる




●荷室寸法は奥行き(新旧同寸)を除くすべてで先代を上まわり、10L増の492L(VDA法、以下同)を確保。加えてスバル伝統の床下サブトランクは、29L増の69Lと驚くほどの大容量だ。後席は4人乗車でスキーなども積める4:2:4分割可倒式を踏襲。ハンズフリーオープンパワーリヤゲートにはロックスイッチも備わる

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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