2020/10/15 新車

エクリプスクロスPHEVはアウトランダーPHEVと何が違う? サーキット試乗で判明した長所・短所

2020年12月の発売が公表された、エクリプス クロスの大幅改良モデル。注目はPHEVシステムの搭載だ。今回は発売を前にサーキットでその実力を検証。SUV 、そして重いPHEV・・・サーキットで走らせても楽しいのか!?



リヤまわりが大きく変わった



現行型のエクリプス クロスは何度か乗ったが、特に印象深いのが氷雪に覆われたテストコースでの試乗だ。滑りやすい路面でとてもコントロールしやすく、その4WD制御の高さを感じたのだった。

そんなエクリプス クロスにPHEVが追加される。すでに予約受注がスタートし、発売は12月を予定。三菱のPHEVとしては、アウトランダーPHEVに続く第2弾だ。

三菱のPHEVはモーター走行が基本で、さながらEVのような振る舞い。エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド走行も得意だし、外部からの充電はもちろん、エンジンで発電して充電も可能である。


●PHEVシステムの基本構成はアウトランダーPHEVと同じで、2.4Lガソリンエンジン+2モーターの4WDとなる。安価にPHEVを提供するため、ハードウェア自体には手を加えていない。EV航続距離も、アウトランダーPHEV(WLTCモード:57.6㎞)と同等とのことだ。急速充電も標準装備で、約25分で80%まで充電可能。普通充電200Vなら約4.5時間で満充電になる



ボディデザインはフロントマスクがよりシャープに。大きく変わったのはリヤまわりで、特徴的だったテールゲートのダブルウインドーがシングルに変更された。


●新型のフロント灯火類は、切れ長な部分がデイタイムランプ。その下の楕円がヘッドライト、次にフォグランプが縦に並ぶ。オーバーハング延長に伴いバンパーやグリルのデザインも変更された。リヤのダブルウインドーは好き嫌いが分かれたそうで、「視認性が気になる」という意見もありシングルウインドー化、新型はオーソドックスな意匠へと変更された

全長も4545mmと従来より140mm長くなっている。内訳はフロントオーバーハングが35mm、リヤが105mm。2670mmのホイールベースはそのままだ。駆動用バッテリーはアウトランダーPHEVと同じくフロア下に搭載できたが、PHEVシステムの補機類がそのまま収まらず、前後ともに延長したわけ。



コンパクトさが売りのエクリプスクロスでは取りまわしやオフロード走行でのオーバーハングで不利になるが、荷室が約10cm延びたのは積載量増大というメリットにもつながる。このデザイン変更はPHEVのみならず、ガソリン車にも適応される(ディーゼルは廃止)。

エクリプスはさらにスポーティ



今回はまだ発売前ということもあり、試乗の舞台はミニサーキット。アウトランダーPHEVも併せてドライブし、エクリプス クロスPHEVとの走りの違いも確認できた。



アウトランダーPHEVも重たい電池をフロア下に搭載しているので重心は低いのだが、さすがにサーキットでは地上高とサスペンションの味付けでロール量が多く、体をシートにホールドするのに苦労する。一方、エクリプス クロスPHEVは明らかにロール量が少なく、体をホールドしながらのステアリング操作に余裕があった。アウトランダーPHEVとの一番の違いはそのあたり。


●アウトランダーPHEV

もちろんSUVなのでサーキットのハイスピードコーナリングに適応しているという意味ではないが、スタイリッシュクーペボディと、その走りのイメージはシンクロしている。

サーキットをノンビリ走れば、モーター駆動ならではの静かさが際立つ。アクセル操作に対して加速がシームレスで気持ちがいいのもモーター駆動が成せる技。バッテリー残量が多ければ、130km/hあたりまでモーターのみの走行が可能だ。

運転を楽しませる四輪制御



4WD制御S-AWCで選べる走行モードは「ノーマル」、「スノー」、「グラベル」、「ターマック」の4種類。今回はノーマルとターマックを比較してみたが、一番の違いはアクセルオン時のトルクレスポンス。ターマックは、コーナーの立ち上がりでノーマルと同じ感覚でパワーオンしてもタイヤのスキール音が大きくなり、加速性能も向上している(モータートルクの大きさを考えると、滑りやすい路面ではスノーを選択するのが最適だと連想させる)。



スポーティに走らせてみる。ブレーキを残しつつステアリングを切ると軽くテールブレークし、それを利用して続くコーナーにフェイント気味に入っていける懐の深さが楽しい。

多くの量産車は、姿勢制御の最後はアンダーステア方向に向かい、挙動を安定させる。だがエクリプスクロスPHEVはいい意味でわずかなスライドを許容する。ドライバーの操作に対して自由度を大きく取っているこの感覚・・・あり余るパワーこそないが、ランサーエボリューションのテイストを感じた次第だ。

サーキットを攻め込んだときのコントロール性の高さは、低いスピードで滑りやすい氷雪路を走る際でも操縦性の高さにつながるはずだ。

PHEVは、給電機能も魅力だ。まだV2H(Vehicle to home)機器が高価なのがネックだが、ここ最近の災害の多さを考えると、最約10日分の電力(ガソリン満タン時で)をまかなえるというのは相当な安心感だ。

王道のSUVスタイル、そして居住スペースや積載量など実用性ならアウトランダー。一方、個性的かつ走りの楽しさを重視するならエクリプス クロス。性格が異なる2台のPHEVがラインアップされたことはユーザーにとって朗報だろう。懸念は、ガソリン車との価格差が購買層にどう受け止められるかだ。


●インパネでは、エアコンパネルを新設定。スマホ連携ディスプレイオーディオは8インチ化。PHEVのシフトセレクターはアウトランダーPHEVに似た意匠を採用する。シート表皮には、本革シートにライトグレーを追加したほか、写真のコンビネーションシート(スウェード調素材×合成皮革)を新たに設定した






●リヤオーバーハングの延長により、荷室も少し広くなった。PHEVの補機バッテリーは荷室下に移設されて いる。また、PHEVは最大1500Wまで対応可能なコンセントをラゲッジルームに設置。災害時やアウトドアなどで活躍してくれる




〈文=三好秀昌 写真=山内潤也〉

ドライバーWeb編集部

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