2020/09/22 新車

【最新輸入SUV試乗記】ようやく日本導入のアウディQ3/Q3スポーツバック。選びどころはスタイルか、パワートレーンか

2020年7月に発売された2代目アウディQ3と、そのクーペバージョンである新設定のQ3スポーツバックの国内試乗会が箱根で行われた。欧州では、Q3が2018年7月に、Q3スポーツバックは翌年7月に発表されていて、すでにハイパフォーマンスバージョンのRS Q3も登場しているので、ようやく日本上陸を果たしたという印象だ。
 
結果的にSUVとスポーツバックが同時に国内デビューとなったニューQ3&Q3スポーツバックだが、車両後部の形状が異なるだけではない。デザイン的にしっかりと差別化が図られている。

ガッツリSUVのQ3とクーペルックのQ3スポーツバック

アウディQ3
●アウディQ3 35 TDI クワトロ Sライン

アウディQ3
●アウディQ3 35 TDI クワトロ Sライン

SUVのQ3は、大開口のオクタゴン(八角形)グリルに垂直方向のメッキ格子(エントリーグレードはブラックの格子)が入り、リヤバンパーも2段構えの造形として、力強さを強調。

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●アウディQ3 スポーツバック 35 TFSI Sライン

アウディQ3SB
●アウディQ3 スポーツバック 35 TFSI Sライン


一方Q3スポーツバックは、オクタゴングリル内にブラックのハニカム形状を採用。リヤバンパーは下部を大型のディフューザー形状としている。サイドウインドーはより伸びやかな形状となり、後端をキックアップさせることで、よりスポーティなイメージに仕立てられている。
 
どちらもボディは丸みを帯びた造形だが、個性的なデザインのLEDヘッドライト下部や前後フェンダー上部、リヤ中段付近に、鋭利な刃物でサクッと削り取ったような、シャープなプレスラインや面表現がアクセントとなって、とてもアウディらしい、ハイテク感を感じさせるルックスとなっている。
 

パワートレーンは2Lディーゼル+4WDもしくは1.5Lガソリン+FFの組み合わせのみ

アウディQ3 ディーゼル+4WD

今回試したのは、Q3が最高出力150ps/3500〜4000rpm、最大トルク340Nm/1750〜3000rpmの2L直4直噴ディーゼルターボを搭載した35 TDIクワトロSライン。


アウディQ3SB ガソリン+FF

そしてQ3スポーツバックは、最高出力150ps/5000〜6000rpm、最大トルク250Nm/1500〜3500rpmの気筒休止機構付き1.5L直4直噴ガソリンターボを積む35 TFSI Sラインだ。
トランスミッションはどちらもデュアルクラッチ方式の7速Sトロニックが組み合わされている。ちなみにニューQ3/Q3スポーツバックは、現時点ではガソリン車はFFのみ、ディーゼル車は4WDのみの設定となっている。
 
 

先代よりサイズアップし、スポーツバックを追加

比較

ボディサイズを見てみると、Q3は全長4495mm、全幅1840mm、全高1610mmと先代からひとまわり大きくなっている。Q3スポーツバックは、全長4520mm、全幅1840mm、全高1565mmで、Q3スポーツバックの方が25mm長く、45mm背が低い。ホイールベースはどちらも2680mmで、先代から75mm伸びている。なお車両重量は、パワートレーンが同じならQ3スポーツバックが10kg重いだけだ。
 

居住性や積載性は良好

室内

サイズ拡大の恩恵は、後席のニースペースで確認できる。身長175cmの筆者がドライビングポジションを取った状態で後席に座っても、ヒザの前には拳が縦に1個半ほど入る広さを確保する。またリヤシートは130mmの前後スライド機構を備え、バックレストは7段階のリクライニングが可能だ。Q3スポーツバックはルーフが絞り込まれているので、ヘッドクリアランスにそれほど余裕はないが、身長180cmくらいまでなら問題なく着座できるだろう。

ドラポジ
Q3後席
●Q3の後席

Q3SB後席
●Q3スポーツバックの後席
 
荷室容量はどちらも通常時で530Lを確保。後席シートバックは4:2:4の3分割可倒式(シートクッションは6:4分割でスライド機構が付く)で、使い勝手はかなりよさそうだ。

Q3荷室
●Q3の荷室。後席シートバックは4:2:4分割機構を持つ。容量は530Lを確保

Q3SB荷室
●Q3スポーツバックの荷室。リヤハッチの傾斜はきついが荷室容量はQ3と同じ530L


 

モダンで先進的なコックピット

Q3インパネ
●Q3のインパネ。基本造形はスポーツバックも同じだ

インパネまわりも大きく進化している。上下2段構造のインパネは、ドライバー中心のデザインで、オクタゴングリルをモチーフにしたメタルのフレームがドライバー側に向いた造形が特徴。そこにMMIナビゲーションの10.1インチ高解像度タッチディスプレイが備わり、ドライバー正面には10.25インチの液晶メーターパネルであるバーチャルコックピットが備わる。全体的にとてもモダンで先進的な雰囲気に仕立てられており、上質感も先代からグッと向上している。

MMI
●MMIナビゲーションの10.1インチ高解像度タッチディスプレイ

メーター
●メーター部は10.25インチ液晶を採用したバーチャルコックピット

 

力強さと安定感のあるディーゼル+4WD

Q3走り
●Q3 35 TDI クワトロ Sライン

さて、走りの方はというと、まずは2Lディーゼルターボを搭載し、駆動方式が4WDのQ3を試すと、ディーゼルならではの力強い加速とスタビリティの高さが際立つ、とてもSUVらしい振る舞いが印象的だ。車内のエンジンノイズは上手く抑えられていて、乗り心地もフラット感が高く、快適性は申し分ない。ハンドリングはややアンダーステア傾向だが、箱根のワインディングロードでもリズムよく走れた。
 

軽快感を好む向きにはガソリン+FFがお薦め

Q3SB
●Q3スポーツバック 35 TFSI Sライン

次に1.5Lガソリンターボを搭載するQ3スポーツバックを試す。ガソリンエンジンと前輪駆動の組み合わせで車両重量が1530kgと、ディーゼル+4WDのQ3より170kgも軽いだけあり、俊敏なハンドリングが際立つ。加速力はディーゼルほどではないが、1.5Lガソリンターボでも動力性能的には必要十分以上で、伸びやかな加速と軽快な身のこなしがとても好印象だった。4WDが特に必要でなければ、1.5Lガソリンターボで十分満足できるだろう。
 
 

新世代プラットフォームも登場したが、高いポテンシャルを発揮

Q3SB

先代Q3は2011年秋の登場だったため、VWグループのエンジン横置きモジュラータイプのFFプラットフォームであるMQBを“完全には”採用していなかった(MQBの本格採用は2012年登場のアウディA3から)。だがニューQ3/Q3スポーツバックは、VWゴルフ8や新型A3(どちらも日本未導入)に採用する最新世代のプラットフォーム、MQB Evoではないものの、最新世代に近い改良版のMQBをベースに開発されている。それだけに走りのポテンシャルは大きく向上している。
加えて、先進運転支援システムやコネクティビティなども格段に進化した。日本仕様は標準装備の内容も充実しているだけに、価格的にもとてもリーズナブルと言っていいだろう。

Q3
ガソリンかディーゼルか、はたまたSUVかスポーツバックか、とても悩ましいところだが、輸入コンパクトSUVを狙っているなら、ニューQ3/Q3スポーツバックは、間違いなく検討に値する。
 



[Q3 35 TDI クワトロ Sライン(4WD・7速DCT)主要諸元]

【寸法・重量】
全長:4495mm
全幅:1840mm
全高:1610mm
ホイールベース:2680mm
トレッド:前1580mm/後1585mm
最低地上高:185mm
車両重量:1700kg
 
【エンジン・性能】
型式:DFG
種類:直4DOHCディーゼルターボ
ボア×ストローク:81.0mm×95.5mm
総排気量:1968cc
最高出力:110kW(150ps)/3500〜4000rpm
最大トルク:340Nm(34.7kgm)/1750〜3000rpm
使用燃料・タンク容量:軽油・63L
WLTCモード燃費:15.4km/L
最小回転半径:5.4m
乗車定員:5人
 
【諸装置】
サスペンション:前ストラット/後ウイッシュボーン
ブレーキ:前Vディスク/後ディスク
タイヤ:前後235/55R18

【メーカー希望小売価格】
543万円
 
 


[Q3スポーツバック 35 TFSI Sライン(FF・7速DCT)主要諸元]

【寸法・重量】
全長:4520mm
全幅:1840mm
全高:1565mm
ホイールベース:2680mm
トレッド:前1580mm/後1585mm
最低地上高:185mm
車両重量:1530kg
 
【エンジン・性能】
型式:DPC
種類:直4DOHCターボ
ボア×ストローク:74.5mm×85.9mm
総排気量:1497cc
最高出力:110kW(150ps)/5000〜6000rpm
最大トルク:250Nm(25.5kgm)/1500〜3500rpm
使用燃料・タンク容量:プレミアム・60L
WLTCモード燃費:14.3k/L
最小回転半径:5.4m
乗車定員:5人
 
【諸装置】
サスペンション:前ストラット/後ウイッシュボーン
ブレーキ:前Vディスク/後ディスク
タイヤ:前後235/50R19

【メーカー希望小売価格】
516万円
 
 

〈文=竹花寿実 写真=岡 拓〉

アウディジャパン
TEL:0120-598106
https://www.audi.co.jp/

ドライバーWeb編集部

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