2020/09/15 コラム

物流センターにマジギレ寸前!? トラック運転手も困惑する業界あるある5選

●荷物の巨大集積地となる物流ターミナル。※参考画像。写真の場所は、文中の物流センターと関係ありません

1)出発と帰庫でのアルコールチェックはどうやっている?


運送会社の朝は、早い。それも超早かったり、丸っきり夜中(午前2〜3時)の出発もある。あくまで、荷主さんの要望する時間に合わせるからだ。そして出発前に必ず行うのが、点呼代わりのアルコールチェック。検査機に呼気を吹き込み、(呼気1リットルあたり)0.00mgの数値が出なければ乗務できない。乗務停止だ。その場合、当然別のドライバーを急きょ探す必要が出たり、荷主先への到着が遅れたりなどの迷惑がかかるわけで、該当ドライバーはペナルティで減俸されたり、謹慎処分などが付くかも。経験上言えるのは、よほどのアルコール大量摂取でない限り、乗務の7時間ほど前に飲むのを切り上げれば大丈夫だと思う。では、それでも検査時にアルコール反応が少しでも出た場合はどうするか? 水を大量に飲む、少し歩いたり走ったりして汗をかく。そして再チェックでゼロが出ればひとまず乗務できる。なお、このアルコールチェック、荷物を運んで営業所に帰庫した後も実施される。ひと仕事終えて、ちょいと戻りしなに一杯引っ掛けてしまった、なんていう輩が過去にいたんだろう。

2)長距離ドライバーのアルコールチェックはどうする?



●営業所に戻らない現地泊などの場合に携行するアルコールチェッカー。ボディの右上に付属のチューブを差し込み、呼気を送り込む。0.00mg/Lの呼気数値の下には、日付けと時間が表示・記録される

毎日営業所出発、帰庫を基本とするドライバーは上記の点呼、アルコール検査となるが、数日間営業所に戻らない長距離輸送のドライバーはどうするか。こちらは携帯用のアルコール検査機を持たされ、遠隔地でのその日の出発時、乗務終了(休憩に入る)時に携帯検査機での呼気チェックが義務付けられる。筆者も時折使用するこちらの携帯用機器(写真)は、なぜか営業所の検査機よりもシビアというか敏感で、食事やタバコ、コーヒーなどの呼気にも反応して厄介だ。そんなわけで、アルコール分などまったく摂取していなくても、30分以上は何も口にしない状態で呼気を吹かないといけないという、利口なのかバカなのかわからない機械だ。なお、携帯検査機には検査時刻も記録されるので、これが運行時間の管理にもなる。

3)大規模物流センターにも配備される検査機


荷物の集積地として機能している物流センターは、特に郊外の高速IC近くの各地に点在しているが、ここにも上述の検査機などが配備されている。特に昨今はコロナ禍の影響もあり、瞬時に計測できる体温計が用意され、これが受付スタッフからぶしつけに頭部へ当てられたりするのだ。そしてマスク着用は必須とされるが、バラ積み荷物の積み込み、卸しなどの体力仕事の場合、とてもじゃないが苦しくてずっと付けたままやれるわけがないから、マスクは途中で外す。その辺は現場のセンタースタッフも理解しているから大概は黙認だ。マスク付けろなんて余計な注意をしたら、少しはお前が荷卸し手伝えって、ドライバーに逆ギレされるかもしれないからね。

4)早朝の物流センターは日本語が通じない?


都会のコンビニなどで、店員が外国人という場合が増えてきたのはご存知だろう。物流センターなどでもこうした外国人の進出は盛んで、特に早朝の物流センターでは場内スタッフやフォークマン(フォークリストを操る人)も含め、日本語のたどたどしい人しかいない場合が時折ある。こちらが初入場で、手順のわからない物流センターに入る場合など、こうした方々しかいないと困るしイライラする。なぜなら物流センターごとに受付の仕方、待機の仕方などがまちまちで、新参者が後々で理不尽な小言を食らうことがあるからだ。こういう独自ルールの手順はドライバー側が混乱するだけ。業界である程度統一しろよと言いたい。それはさておき、早朝スタッフの国際化を見るにつけ、「日本人よ、朝早いからってサボってんじゃねえよ」と言いたくなる。

5)物流センターごとの流儀に困惑


大規模な荷物の集積地、中継地として物流センターはなくてはならない存在だ。しかし、定期便ではなくフリー便でどこにでも行くドライバーにとって、これが厄介。先にも述べたが、場所によって受付、入場、待機などの仕方が異なるからだ。そういう場合、こちらは「初めて入場するので、手順を教えてください」と丁寧に伝えるが、それに対して目も合わせず、マスク越しに最低限の発言をボソっと喋る受付スタッフしかいない最悪の物流センターもある。教育が行き届いてないんでしょうな。またそういう場所に限って手順が独特だったりして(その手順説明に飽きているのかもしれないね)、受付はトラックを場内に入れる前(路駐しろってこと)、窓口まで歩いて行って行い、退場時は場内からトラックを出した後(また路駐しろってことだ)、歩いて行って退場受付をしろという、クソ面倒くさい物流センターがある(大井埠頭界隈に)。こうした物流センターはたくさんあるわけではないが、ドライバーがどれだけ軽んじられているかを象徴する事象だと思うし、こういうことを強いていても、万が一の駐車違反に対してこの物流センターがかばってくれることはないだろう。

以上、今回はドライバーの始業と終業、運送業務上なくてはならないけど、個人的には大嫌いな大規模物流センターでの流儀などについて紹介してみました。

〈文=坂 和浩〉

ドライバーWeb編集部

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