2020/08/07 モータースポーツ

【ヤリスがラリーデビュー!】JRC第5戦ラリー丹後 4ヶ月ぶりのシーズン再開! 酷暑のドライターマックを鎌田卓麻が制する【山本カメラマンが見たJRC】

●鎌田卓麻・鈴木裕組のWRX STIが今季初勝利をあげる

国内外のモータースポーツが徐々に再開し始めるなか、2020年シーズンのJRC(全日本ラリー選手権)もついにリスタートされました。今回のレポートを担当するのも、本誌、本サイトではおなじみラリーカメラマンの山本佳吾氏。どうやら、トヨタ ヤリスのラリーカーが早速登場したらしいですぞ!



無観客、そして規模もコンパクトに

3月の第2戦新城ラリー以来、JRCが4ヶ月ぶりにラリー丹後から再開されました! 舞台は天橋立にほど近い、京都府京丹後市。ボクにとっても3月に行ったフランス選手権の開幕戦以来のラリー取材です。長梅雨で涼しい日々が続いていたので、梅雨があけていきなり真夏の暑さとなった丹後半島はキツかった! 最近は海外のラリーばかり行っていて、JRCはめちゃくちゃ久しぶり。言葉が通じてトイレがキレイで、コンビニだらけでご飯が安くておいしいことがこんなに楽だなんて、と変なところで感動してました(笑)。

ラリー丹後2020
●無観客の表彰台はいつまで続くのだろうか。ギャラリーの声援と拍手を受けたクルーの笑顔が早く見たいものだ


このご時世なので、無観客ながら主催者の努力や地元の協力で開催にこぎつけたラリー丹後。サーキットで開催されるレースと違って、公道が舞台のラリーは周辺自治体や住民の協力や理解なしには開催できないので、ありがたい限りですね。もちろん、感染対策には万全を期していまして、マスク着用は当然のこと、普段はオフィシャルが記入するタイムカードを選手自身が記入するなど、創意工夫が随所に見られました。炎天下でのマスクはめちゃくちゃ辛いけどね……。

鎌田卓麻 鈴木裕 WRX STI JN6
●鎌田選手の勝利は2019年のセントラルラリー愛知・岐阜以来。ターマックでのセッティングがうまくいっているようだ

ラリーのルートは例年よりもコンパクトになっていて、土曜と日曜で進行方向を変えた2本の林道をステージに設定。広くてやたらと高速な区間と、狭くてツイスティな区間が混在する変化にとんだSSで、JN2クラスのレクサス RC Fが5Lのパワーを生かして、JN1クラスのWRX STIを上まわるタイムを記録するなんて場面も。デカいボディーのRC FがV8サウンドを残しながら狭い林道を走る様子は、一見の価値ありですよ。

レクサス RCF
●JN2クラス2位を獲得した、石井・寺田組のRC F。ほかにはないV8サウンド全開で駆け抜けていく姿は必見だ!

ヤリス登場! 話題のあのクルマは?


そのJN2を制したのがシビックタイプRユーロの上原・漆戸組。ドライバーの上原淳は最近テレビなどにたびたび登場するお医者さん。個人で救急病院を作ってしまったスゴい人で、先日放送されたとある番組にもラリー車で出勤する様子が紹介されていてちょっとした話題になってました。ちなみに、JRCのターマックでは初優勝。

ホンダ シビック タイプR 上原 漆戸
●JN2クラスを制したのはシビックタイプRを駆る、上原・漆戸組


最上位クラスのJN1は、序盤からリードを築いた鎌田卓麻・鈴木裕組のWRX STIが盤石の走りで、昨年のセントラルラリー以来の優勝。2位には、今年の新城を制した奴田原文雄・佐藤忠宜組のランサーエボリューションXが入り、連勝にはなりませんでしたが選手権はポイントリーダーをキープしています。誕生日を迎えた新井大輝と新井敏弘との親子対決は、LEG1を3位で終えた新井敏弘・田中直哉組がLEG2の1本目SS7でマシンをヒットしてタイムロスし4位に後退。新井大輝・小坂典嵩組が逆転して3位に入りました。

WRX STI 鎌田卓麻
●鎌田卓麻・鈴木裕組のWRX STIが今季初勝利をあげる

ほかのクラスで注目だったのは、今回がラリーデビューとなったトヨタ ヤリス。JN5クラスに小濱勇希・東駿吾組が、JN6クラスに水原亜利沙・高橋芙悠組がエントリーしました。ヤリスといってもGRじゃなくてフツーのヤリスね。小濱・東組、水原・高橋組ともに、それぞれクラス3位でフィニッシュ。軽さが武器のヤリスは、進化が進めばトップ争いに確実に絡んできそうなので今後が楽しみです。そしてみんなが興味津々のGRヤリスだけど、納車が早いチームなら突貫作業で今年中のデビューもありえそう。だけど、実際には来シーズンになりそうな雰囲気でした。

ヤリス ラリーカー JN5
●オープニングステージのSS1でいきなりクラスベストをマークし、ライバルを驚愕させた小濱・東組のヤリス。潜在能力は計り知れない!

ヤリス ラリーカー JN6
●CVTのヤリスでJN6クラスに出場した、水原・高橋組。クラス3位でフィニッシュする

ラリーってこんな素敵なこともあるんです


先にもラリーは公道が舞台って書いたけど、移動区間は普通の生活道路なのでいろいろなことが起きます。今回のラリーでは、リエゾンを移動中に倒れてるおじいちゃんを発見した選手が救護活動を行いました。そして、後続の選手も通報や交通整理を行い、さらに後続の選手が次のステージのスタートへ向かいオフィシャルに状況を説明。その迅速かつ最適な対応に感動でした。ラリーの競技中に、表彰台争いをしている選手達が戦列から離れてこんな行動を起こすにはきっといろいろな思いが巡ったと思うけど、単純にステキな行動だと思うなあ。ちなみに、彼らの動きはステージ内で選手が負傷したときの動きとまったく同じ流れ。ラリーって個人競技でありつつ、何かあったときはみんなで協力しあう競技なんです。

次戦は9月12~13日に北海道で開催されるラリー北海道。今シーズン唯一のグラベルラリーだけど、こちらも無観客での開催に決まりました。今年は世界中のラリーがいろいろと大変なシーズンだけど、早くいつも通りのラリーに戻って欲しいなあ。


<文&写真=山本佳吾 Keigo Yamamoto>


ドライバーWeb編集部・青山

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