2020/06/22 コラム

ツイッターで話題に!これはゴーン氏の元愛車か? 車体番号“2”のフェアレディZオーナーが証言

■ずいぶん“若い”車体番号


Twitterを何気なしに見ていたら、こんなツイートに目が止まった。


https://twitter.com/jyorihb12a/status/1272483249046949893

このツイートに映っているのは、5代目となる日産フェアレディZ(Z33)。車検証の車体番号を見ると、「Z33-000002」とある。随分“若い”車体番号だなあと思ったのだが、「元オーナーがカルロス・ゴーン」とある。どういうことだろうか?

早速、ご本人(JyOrI.(じょり。))さんにいろいろと質問をしてみた。

Q:このZ33を手に入れた時期は?

A:部品交換や車屋さんの都合で実際に乗るのはだいぶ後になりますが、初めて試乗し、購入したのは偶然にも2019年12月という、ちょうど(ゴーン氏が)逃亡した時期と被っていました。まあ、ゴーンさんが何代か前のオーナーだからあまり関係ありませんが、タイムリー過ぎましたね。ちなみに購入したのは車関連の知人の知人からの個人売買です(前のオーナーさんは、ディーラーから購入したとのこと)。


●JyOrI.(じょり。)のZ33

Q:トランスミッションは?

A:6速MTです。

Q:総走行距離はどのぐらい?

A:購入時は95000kmと、意外にも最初期の個体の割にはそんなに走っていませんでした。

Q:入手した経緯を教えてください

A:免許を取って以来、RX-8、RX-7(FD3S)、コスモ(HB3S)とロータリーエンジンのクルマばかり乗り継いできました。そろそろロータリー以外のクルマにも乗ってみたいなと思っていたところにたまたまた知り合いから話が回ってきて。試乗したらとにかく大排気量特有のトルク感に感動して、その場で購入を決めてしまいました。またZ33自体も、小さいころに近所の人が乗っていて見るたびにあのむっちりとしたボディがいいなあとは思っていたので、今思えば昔から憧れはあったのかもしれません。

●JyOrI.(じょり。)さんのZ33

Q:元オーナーがゴーン氏(かもしれない)と知って…

●確かに車体番号は“2”

A:最初は番号が番号だけになんらかの関係者が最初に乗っていたような気はしていたのですが、調べても出てこず。(入手して)数カ月経ったときに、Twitterで「雑誌に載ってた」と教えてもらってビックリです。まさかの人物すぎて。Z33といえば、あのゴーンさんあってのクルマみたいなところもあるし、そんな人が元乗っていたのは少しうれしいです。ちなみにその雑誌は、自分で購入したわけではないのですが、「Zマガジン」というZの雑誌だそうです。

JyOrI.(じょり。)さんより頂いた写真には、下記のような文章があった。引用してみる。

「1台目はブラックのZ33。これは生産第3号車だったんです。1号車は日産の博物館に、2号車はゴーンさんのもとへ。そして僕は3号車を手にれた。それほど思い入れが強くなったんです」※『Zマガジン』(ニューズムックZマガジンVol.1 2006年3月16日発行)

「この「2号車」という記述が自分の車両を指すのか正確にはわかりませんが、この文章のとおりであれば、私のクルマが元々はゴーンさんのもののようです」

■Z33といえば、日産リバイバル・プランの象徴



JyOrI.(じょり。)さんがおっしゃるように、Z33のフェアレディZは、1999年に日産が掲げた日産リバイバル・プランの象徴だ。日産当時のプレスリリースを掘り返してみると、当時日産のCOO(最高執行責任者)だったカルロス・ゴーン氏の語りとして、

「このプランの中で、コスト削減が顕著で中心的な部分であるが、それだけでは成功につながらない。新商品の開発に重点的な投資を行い、日産のブランド力を取り戻し、全世界でのシェア向上、収益力向上を図ることが不可欠である」。

具体的な商品計画として、米国では2002年までに商品ラインアップを拡大し、Zカー(日本名:フェアレディZ)を含め4つのモデルを新規投入する。

と、日産リバイバル・プランの中核にZ33が据えられていたのだった。

■そして歴史は繰り返す?




2020年5月28日、日産は2019年度決算発表の最後で「#NissanNEXT A to Z」と題した動画を公開。既報のとおり、Z35となる新型フェアレディZの姿を(少しだけ)公開したのだ。ほかの新型車も併せて、これから18カ月の間に12車種もの新型車を投入。これも現代の“日産リバイバル・プラン”であり、フェアレディZがその象徴として扱われている。

18カ月なんて、あっという間…。新しい「Z」はどんなクルマになっているのか。再び、日産復活の象徴となれるのか…期待に胸が高まっている。

〈文=driver@web編集部〉

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