2020/06/10 ニュース

WRCラリー・ジャパン2020、開催が危ぶまれる理由とは?【WRCの中止が5戦に拡大!】

残りは3戦、開催できるのか?

2020年シーズンのモータースポーツにようやく復帰の兆しが見えてきた6月9日、WRCオフィシャルサイトが第12戦ラリー・GBのキャンセル(中止)を発表した。理由はCOVID-19ウイルスだ。


©️RedBull ●第3戦ラリー・メキシコでのヒュンダイ i20クーペWRC

今シーズン全13戦のうちキャンセルはこれで5戦となり、延期やキャンセルを発表していないイベントは、第10戦トルコ、第11戦ドイツ、そして第13戦ジャパンの3つを残すのみとなった。

▼2020年6月10日現在のWRC 2020 カレンダー

ラウンドイベント日程現在の状況
1ラリー・モンテカルロ1/23〜26完了
2ラリー・スウェーデン2/13〜16完了
3ラリー・メキシコ3/12〜15完了
4ラリー・アルゼンティーナ4/23〜26延期
5ラリー・ポルトガル5/21〜24キャンセル
6ラリー・イタリア・サルディニア6/4〜7延期
7サファリ・ラリー・ケニア7/16〜19キャンセル
8ラリー・フィンランド8/6〜9キャンセル
9ラリー・ニュージーランド9/3〜6キャンセル
10ラリー・トルコ9/24〜27開催予定
11ラリー・ドイッチュラント10/15〜18開催予定
12ラリー・GB10/29〜11/1キャンセル
13ラリー・ジャパン11/19〜22開催予定

世界的な流行からまったく収束の兆しを見せない新型ウイルスの影響で、正直残りの3戦も開催は危うい。特にジャパンはキャンセルとなる可能性が高くなってきた。

その理由は、ロジスティクス面での条件が一番にあげられる。

船便は欧州以外のイベントを経由する

先日FIAは第9戦ニュージーランドのキャンセルを発表。この決定がラリー・ジャパン関係者の悩みのタネになっているのは間違いないだろう。というのも、各チームの荷物を運ぶ船便が出港しなくなりそうだからだ。

WRCなどの世界中を駆けまわる選手権の荷物移動は、欧州圏外イベントに関しては船が一般的。ジャパンへの船便は、当初ニュージーランドを経由してくる予定だった。その船便が出ないとなると当然日本だけに出港せざるをえなくなるのだが、WRCに参戦するチーム側からすれば、たった1戦のために船便に載せるのは非常に効率が悪い。しかも場所は極東の日本である。要するに時間とコストがかかるということだ。チーム側が開催に反対するのは、必至とみていいだろう。


©️RedBull ●第3戦ラリー・メキシコでのフォード フィエスタWRC

そしてCOVID-19も理由の一つであることは間違いない。これから秋、冬にかけて、また感染が拡大するかもしれないということも視野に入れなければならない。ワクチンがない今、秋に開催予定のジャパンは非常にリスキーでもある。

トヨタも復活してジャパンラウンドも復活と、国内でも盛り上がりを見せていただけに非常に厳しい状況だ。ラリーファンは、もうしばらくこの動向を見守るしかなさそうである。

<文=driver@web 編集部・青山>

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