2020/05/27 コラム

トラックが追い越し車線をひた走ってしまう理由…現役ドライバーの本音

●なぜ追い越し車線を走ってしまうのか

車速を維持するのが難しい



高速道路で現実的に流れている速度レベルは大体80〜100km/hだろうが、走行車線を走っているとこれを維持するのが難しい。渋滞していなくてもだ。時間に余裕のあるクルマや慎重に走るクルマは80km/h以下で走っているし(違反ではないけど)、上り坂で徐々に速度が落ちることなど意識せずに走るドライバーもいる。最近では上り坂の手前に「速度低下注意」などの表示も見受けられるけれど、要は速度一定で走れない、交通の流れを意識することに無頓着なドライバーも多いのだ。

そうした状況にさらされることの多いトラックドライバーは、それがストレスになる。前方にやけにノロノロと走っている車がいたら、速度を落としたくないから車線変更して速度を維持したくなる。積極的に追い越したいわけではない(ぶっ飛ばしたいトラックもいるかもだが…)。一定ペースの阻害から避けるために、仕方なく追い越し車線に…そう、“退避”するような気持ちで車線変更する。

なぜ、一定速にこだわるのか? 物理的に考えればわかるように、重量の重いトラックは一般車よりも制動距離が伸びて停止までに時間がかかる。また速度を元に戻す(加速する)場合でも、シフトダウンしてじわじわとしか上がっていかない。幸いにも大型トラックは着座位置が高く先方の状況は見通しやすいから、自分のトラックがどう動いたら急減速・急加速をしなくていいかを考えやすい。そこで、追い越し車線に入る場合もあるのだ。

ドライバーWeb編集部

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