2020/05/20 コラム

「GTO」ってどいう意味? 三菱ギャランGTO、生誕50年【車名の由来Vol.012】

ヒントは欧米にあり

GTO(グレート・ティーチャー・オニヅカ)…とある人気漫画/ドラマのタイトルではない。クルマ界では「フェラーリ250GTO(1962年)」、「ポンティアックGTO(64モデルイヤー)」に登場する由緒あるネーミングだ。


●1970年デビューのギャランGTO。全長4125mm、全幅1580mm、全高1310mm。エンジンは1.6L直4DOHC(125ps/14.5kgm)。価格は112万5000円(ギャランGTO-MR・5速MT)

GTOとは、当時の三菱の説明によればイタリア語のGrande Turismo Omologáre(グラン・ツーリスモ・オモロガーレ)の頭文字3字を略した呼称。英語ではGrand Touring Homologate(グランド・ツーリング・ホモロゲート)となる。omologáreは、イタリア語で「承認・認可する」のことで、英語の同義語homologateは、レース用語などで「競技車両として公認された」という意味で使われている。つまり、「GTカーとして正式に承認されたクルマ」といったニュアンスだが、ポンティアックGTOはそのイメージを借りたようである。

日本で初めて「GTO」を使った三菱

三菱は欧米で使われているGTOを国内で初めて使用。「本格GTカー」、「本当のグランドツーリングカー」といった意味合いを持たせている。ギャランGTOはギャランハードトップをベースに、高級化、高性能化を図った新シリーズ。1969年秋の東京モーターショーに「コルトギャランGTX-1」として出展。市販時にギャランシリーズの最上級パーソナルカーとして、誉れ高い「GTO」の名前を加えた。

今年はギャランGTO登場から50年、三菱GTO登場から30年


●ギャランクーペFTOは1973年にデビュー

GTOの名前は1970年12月にギャランGTO(英文字表記も)を商標出願して以来、国内では三菱だけが使った。このクルマのイメージが強かったのと、弟分として登場したギャランクーペFTOとイメージの統一を図ったネーミング戦略としたことから、他社は使いづらかったようだ。後年三菱が単独名「GTO」を登録して1990年にスポーツ車「三菱GTO」として“復活”した。今年はギャランGTOがデビューして50年、三菱GTOとして復活してから30年の節目の年に当たる。


●GTOの名は、1990年に登場した三菱GTOで復活した

〈吉川雅幸著『車名博物館PART1』(八重洲出版)より〉※加筆しています

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