トヨタのBセグメントハッチバック「ヤリス」のSUV版「ヤリスクロス」の全容が明らかになった!
このクルマは、3月のジュネーブショーで発表されるはずだったもの。だが、新型コロナウイルスの影響により同ショーは中止。そして4月23日、突如世界公開されたわけだ。
ヤリスクロスのベースとなるのは、コンパクトハッチのヤリスだ。ヤリスは、これまで日本に存在していた「ヴィッツ」のグローバルネーム。現在では日本でもヤリスとして販売されている。
昨年お披露目され、今年2月に発売。シャシーもパワートレーンも一新し、従来型ヴィッツよりもスポーティさを際立たせた。
日本では、1.5L+モーターのハイブリッド、1.5Lガソリン、1.0Lガソリンを用意する。トヨタの新しいクルマづくりである「TNGA(トヨタ ニュー グローバル アーキテクチャー」のもと、軽量化と高剛性が自慢のコンパクトカー用プラットフォーム「GA-B」を採用。新設計のサスペンションも与えられ、フラットでしっかりとした乗り味を実現している。
しかし、現在、グローバルで人気なのは「SUV」だ。この傾向はコンパクトカテゴリーでも同じ。トヨタは、現在世界で爆発的人気を誇るRAV4を25年前に世に送り出し、4年前にはC-HRを発表するなど、じつはSUVに非常に強い。現在、日本でのおもなSUVラインアップは、ランドクルーザー、ランドクルーザープラド、RAV4、ハリアー、C-HR、ライズ。そして、唯一の空白カテゴリーであったBセグメントを埋めるのが、今回発表された「ヤリスクロス」なのである。
ヤリスクロスは、ヤリスの「走る楽しさ」、「クラスを超えた質感」を受け継ぎつつ、都市型コンパクトSUVを再定義することを目指して開発したという。これまでの、アクアクロスオーバーのような、「なんちゃってSUV」ではない。
ヤリスクロスは、巧妙なパッケージとダイナミックな動力性能を備えている。そして高い利便性と、ラフな道でも走れる最低地上高、そして力強いデザインが魅力だ。
デザインは、欧州のニーズを調査し、彼らの要求にマッチするように設計されたという。キーワードは“Robust(力強さ)”と“Minimalistic(ミニマリズム的スタイル)”。
これは、コンパクトで俊敏、そしてたくましさを表している。デザインの中心的なイメージは、強固で非常にプレミアムな「ダイヤモンド」だ。
ルーフトップから見ると、その彫刻的なシルエットが特徴的。そして、フェンダーは大胆に強調される。18インチホイールを備え、高い地上高もSUVらしい。
ユーザーの妥協が必要ないクルマ、それがヤリスクロスである。実用的で広々としているだけではない。買い物のとき、荷物で手が空いていなくても、足の動きでトランクを自動で開けられる機能も搭載している。荷室にはストラップがあり、走行中に荷物があっちこっちに転がっていく心配もない。
SUVユーザーは、休日はアウトドアへ行く人も多い。そんなときも、「シートフォールディングシステム」で大きな荷物も積載できる。後席は4:2:4の分割可倒式にも見える。フロアボードを下げると、さらに荷室が拡大。自転車の積載も可能だという。
ハイブリッドは、1.5L直3とモーターの組み合わせ。モーターは59Kw(80馬力)でシステム出力85Kw(116馬力)を発揮。ガソリンは3気筒のダイナミックフォースエンジンだ。
ガソリンもハイブリッドもFFと4WDを用意する。ハイブリッドの4WDは後輪をモーター駆動する「E-Four」だ。オフロードでは“Intelligent All Wheel Drive(4駆システム)”が高い走破性を発揮するという。
ヤリス クロスは、ヤリスと同じくGA-Bプラットフォームを採用する。このプラットフォームはSUVにも十分に対応する。ヒップポイントの高いドライビングポジション、パワフルなボディライン、そして高い地上高。さらに低重心、かつ高いボディ剛性を確保している。
これにより俊敏で、安定した快適なドライビングが可能となっている。また、ステアリングの精度も高く、ボディロールの低減も実現している。
ボディサイズは、以下のとおり。
全長:4180mm
全幅:1765mm
全高:1560mm
ホイールベース:2560mm
製造工場は、日本向けはトヨタ自動車東日本、欧州向けはフランス工場。ヤリスクロスは、日本では2020年の秋、欧州では2021年半ばの発売を予定している。
〈文=driver@web編集部〉
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