2020/04/22 Q&A

この得体の知れないクルマ…まさかの2人乗り!? いすゞ ミュー【車名の由来Vol.010】

その名も、いすゞ ミュー

得体の知れないクルマをそのまま表したらMUに



MUと書いて「ミュー」と読む。なかなか個性あふれる名前だ。当時、欧米や日本で市場が拡大しつつあったSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)。いすゞでは、1988年5月に新型となったロデオ4WDをベースに、ホイールベースを短縮し、体径タイヤを履いた超ユニークな2人乗りのスポーツピックアップを造り上げた。2.6Lガソリンエンジンを搭載し、4WDシステムによってオフロードもこなす実力を持つ。


●全長4135mm、全幅1780mm、全高1695mm。エンジンは2.6L直4OHC(120ps/20.0kgm)。価格は167万円(ワゴン ハードカバー ブライト仕様・5速MT)

乗用車やRVでは飽き足らない若者をターゲットとした、いわばニッチ市場を狙ったモデルだった。主力のアメリカ市場では1989年3月から「アミーゴ(Amigo)」という名前で発売。追って1990年4月には国内でも「MU」の名称で発表(発売は5月)した。

国内のMUというネーミングは、このクルマの中途半端でつかみどころのないキャラクターを表現したものだった。従来のピックアップトラックは、長い荷台を持ち本格的な商用車としての機能(ユーティリティ)を持つが、新型車では荷台が短く、パッと見たときにどういった用途に使うかわからない。

そこで、「謎に包まれた不思議な機能を持ったクルマ」として英語のミステリアス・ユーティリティ(Mysterious Utility)の両方の頭文字をとって短く「MU=ミュー」とした。もちろん、パーソナルなRVとしてさまざまな用途に使える乗用車であることの裏返しでもある。


●1989年の登場時は、ソフトトップとハードカバーの2タイプだった


●1990年にはメタルトップの4シーターを追加。1992年にはフロントマスクが一新された


●1997年型には3.1Lターボディーゼルエンジンに電子制御燃料噴射システムを採用。排出ガスのクリーン化とレスポンスの向上を実現

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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