ますます拡大するSUV市場。そのなかでも、いわゆるクロスオーバーSUV人気の高まりは留まるところを知らない。そこにヨコハマが投入したのが、今回の2本。何がどう違うのか? 選択のポイントを試乗で確かめた!
そろそろタイヤを交換しよう。そう思いたったボクの愛車はマツダCX-5。ミディアムサイズのSUVで、走行状況の99%以上は舗装路(ドライ&ウエット)だ。残りは、キャンプに出かけるときのキャンプ場周辺の未舗装路くらいである。
今、ヨコハマは多くのSUV用銘柄を取りそろえている。そのなかでCX-5をはじめとする多くの国産SUVとマッチングがよさそうなのは「ブルーアースXT AE61」(以下:ブルーアースXT)と「ジオランダーCV G058」(以下:ジオランダーCV)の2タイプ。いずれも発売されたばかりの新商品で愛車の走行環境や好みに応じて選べばいい…のだけど何気に悩ましい。「オンロード向け」「ハンドリング良好」「コンフォート性能重視」と方向性が似ているからだ。そこで今回は両方を乗り比べ、違いを明らかにして愛車の次のタイヤを選ぶことにした。
まずはブルーアースXT。「ブルーアース」は乗用車用タイヤの主力ブランドで、低燃費性能に加えて快適性や運転する喜びまでフォローする、いわば舗装路におけるマルチパフォーマンスタイヤ。つまりSUV用であっても乗用車側からのアプローチというわけだ。だから舗装路でのハンドリングが優れているのが大きな特徴。そのうえ燃費にも優れ、さらには低燃費タイヤラベリング制度で転がり抵抗性能「A」、ウェットグリップ性能は最高グレードの「a」を獲得しているのだ。
実走行で試してみると、タイヤが発生する音が静かなことと、乗り心地がいいことに驚いた。快適性は文句なしのレベルで家族に優しい。運転好きのボクにとっては、ステアフィールがハンドル操作に対してリニアで、旋回時はドライバーの期待するとおりにクルマが向きを変えるし、タイヤと路面の接地感がしっかり伝わるからクルマとの一体感を得やすい。走りを楽しめるタイヤである。
一方でジオランダーCVは、SUV向けM+Sタイヤブランド「ジオランダー」、つまりオン・オフ含めたアプローチで、非舗装路にも対応しつつ、快適性や舗装路での操縦性を重視。さらには、浅い雪なら対応する「M+S(マッド&スノー)」規格というのも特徴となっている。
走って感じたのはジオランダーというブランドからは想像外の静かさ。それにまず驚いた。「悪路優先で設計されたジオランダーは音量も大きめ」というのはすっかり過去の話のようだ。路面によってはブルーアースXTよりも音が大きく聞こえる状況もあるけれど、それは「あえて比べれば」という話であって、単体でみれば充分以上に快適。これなら愛車に履いても問題ないと断言できる。
ハンドリングは、舗装路面とのコンタクト感やハンドル操作に対するナチュラルさは僅差でブルーアースXTに譲る。とはいえ峠道を走ってみても不満をまったく感じないレベル。乗り心地も良好だ。
というわけで乗り比べての結論。舗装路だけを走るならブルーアースXTがいい。ハンドリング、快適性、ウエットも含めたグリップ、そして燃費。舗装路の性能で優位だ。
しかし、ボクはジオランダーCVを選んだ。ちょっとした雪なら走れること(本格的な雪やチェーン規制までは対応していないとしても)、そしてキャンプに出かけたときの湿ってぬかるんだ泥道でブルーアースXTよりもトラクションを期待できる対応力の高さに魅力を感じたからだ。
悩んだときは、舗装路に特化するならブルーアースXT、適応性の高さを重視するならジオランダーCV。それが選択のポイントである。
〈文=工藤貴宏 写真=山内潤也〉
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