2020/03/11 カー用品

話題のオールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤにどれだけ迫れる?【横浜ゴムの2商品を比較】

いいとこ取りに見えてじつは…

「オールシーズンタイヤは氷に弱い」こと自体、各メーカーが盛んに発表している。それは明らかなネガであり、オールシーズンタイヤの最大の特徴だ。その一方で、“オールシーズン”とうたうだけに、「雪上では意外と走れる」という個性も併せ持っている。ドライ/ウエット路ではサマータイヤ並、そして雪上ではスタッドレス並という欲張りな性格を持つのがオールシーズンタイヤだ。


●ブルーアース4S AW21。サイズは175/65R14 82T〜225/55R19 99V

●アイスガード6 iG60。サイズは135/80R13 70Q〜245/40R20 95Q。ランフラットは、205/60RF16 92Q〜275/40RF20 102Qを用意

今回、横浜ゴムの北海道は旭川のテストコースで比較したのは、横浜ゴムの2商品。最新スタッドレスの「アイスガード6」(以下iG60)と、発売開始間もないオールシーズンタイヤ「ブルーアース4S AW21」(以下AW21)だ。氷上と雪上、同時に同じ条件で試せる貴重な機会。つまり、オールシーズンタイヤがどれだけスタッドレスに迫れるかが主眼となる。


●ブルーアース4S AW21のトレッドパターン。V字溝に横溝を交差させているのが特徴

ちなみにAW21は、数あるオールシーズンタイヤのなかでも雪上性能を重視している。「どうせ買うのなら、雪に強いほうがいいですよね」と開発陣自らの思いを投入した自信作だ。雪上性能向上のため、V字のグルーブはもちろん、それに交わる横溝の交差溝で雪中せん断力を確保。シリカ分散を向上してゴムのしなやかさを保つ末端変性ポリマー、さらにスノーグリップポリマーとウエットグリップポリマーをバランスよく配合。マイクロシリカの配合も併せて、スノーだけでなくウエット性能も高めている。

オールシーズンタイヤは万能じゃない


●約20km/hからのフルブレーキングの結果。こんなにも差が出る

まずは氷上。ここは屋内施設であり、環境に左右されず同条件でのテストが行いやすい。早速プリウスにAW21とiG60をそれぞれ履かせて、約20km/hからのフルブレーキングを行った。すると、AW21のほうがクルマ約1台分停止距離が長かった。距離にして約6m。一般公道、例えば交差点などで停止を行う場合をイメージしたら見逃せない性能差だ。氷の上に水が浮いた、さらにツルツルな路面だったらもっと差がつくはず。ついでに軽くスラロームを行ってみたが、やはり舵の効き方はiG60が格上。Uターン時など横方向のグリップ差も大きく、クルマの向きが変わりやすいのはiG60のほうだ。


●ブルーアース4S AW21とアイスガード6 iG60をそれぞれ雪上スラローム

だが、雪上走行ではAW21が健闘した。コーナーでは大きくステアリングを切らないかぎり思ったよりもグリップ。さらに直線で約50km/hからフルブレーキングを試したが、iG60に負けず劣らずの制動力を発揮した。舵を急に入れたり、大きくしたりしなければ雪上では十分に走れる。サマータイヤには到底無理なことだ。

というわけで試してみた印象としては、当初の予想どおり。「今後オールシーズンタイヤがさらに進化して、もし氷上に強くなったら…」と開発陣と話していたら、「スタッドレスタイヤがさらにサマー性能を上げたら…」と笑って返された。

そんな魔法のようなタイヤがいつ登場するのか。いや、履き替え需要がなくなってしまったらメーカーとしてはとても大変な事態になる?

オールシーズンタイヤは、現状ではやはり非降雪地域に住む人にオススメ。年に数度、アクセスが整ったゲレンデまで向かうぐらいなら十分だが、件のように氷には弱いのでチェーンなどの携行をお忘れなく!

〈文=driver@web編集部・柿崎〉

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