2020/01/08 コラム

ランドクルーザーがランドローバーに名前が似た理由とは【車名の由来を知りたいVol.003】

ランドクルーザーは当初、トヨタ・ジープBJ型と呼ばれていた。ジープはオープン幌型の四輪駆動車としてクルマのジャンルを示す一般呼称として命名されていたが、その後「ジープ」という名称が、アメリカのウイリス・オーバーランド社(当時)の登録商標であることがわかった。そのため、1954年6月24日にトヨタ・ランドクルーザー(陸の巡洋艦)の名称に変更した。


●トヨタ・ジープBJ型(1951年) 全長×全幅×全高:3793mm×1575mm×1900mm エンジン:3.4L直列6気筒OHV(85ps/22.0kgm) 価格:ー(4速MT)

ランドクルーザーの名付け親は、当時トヨタ自動車工業・技術部長を務めていた梅原半二氏である。車名の由来については、氏の著書『純の中の不純』(黎明書房)に詳しい。BJ型に愛称を付けることになり、アメリカの「ジープ(連続短編アニメに登場する怪獣)」や英国の「ランドローバー(山賊)」という強敵に負けないだけの名前が必要と考えてランドクルーザーを考案、そして採用されたという。名前のうえでは、ランドローバーに強く影響を受けているわけだ。

ローバーとは英語で「走りまわるもの」という意味から、大航海時代に何千マイルもの海を力強く行き交った究極のローバー(彷徨者)として、バイキングをイメージ。梅原氏は、LANDを「山」、ローバーを「バイキング」という意味から「賊」として「山賊」と捉えたと考えられる。”怪獣”や”山賊”に勝つ名前として、これらを取り締まり攻撃する「巡洋艦」のクルーザーを考案したのではないだろうか。現在、ランドクルーザーはその名前とともに国産車でもっとも長い歴史を持つクルマである。

〈吉川雅幸著『車名博物館PART1』(八重洲出版)より〉

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