2019/12/27 ニュース

新型レガシィはセダン不況に耐えられるのか? ターボモデルの出来がよすぎて国内導入を切望

米国で乗った、新型レガシィ

この冬、スバルのフラッグシップセダン「レガシィ」の7代目が、世界のどの市場よりも早くアメリカで発売された。



■主要諸元(北米仕様)
全長×全幅×全高:4840mm×1840mm×1500mm
ホイールベース:2750mm
最低地上高:150mm
2.4L水平対向4気筒ターボ:260hp/5600rpm、277lb-ft/2000〜4800rpm
2.5L水平対向4気筒:182hp/5800rpm、176lb-ft/4400rpm
駆動方式:全車4WD


SUV人気の北米市場にあって、セダンは多くのメーカーがラインナップの整理を進めるカテゴリーで、北米スバルにおいてもプラットフォームやパワーユニット、多くの内外装パーツを共有するアウトバックのほうが販売数は多い。そのためアウトバックは、北米スバルではフォレスターと並び一二を争う人気モデルになっている。それでも、アイサイトなど安全装備が充実し、全車AWD標準仕様のレガシィは降雪地帯の北東部などでの需要が高く、依然指名買いされている重要モデルだという。


新型はプラットフォームとエンジンを同時に一新。「スバル グローバル プラットフォーム(SGP)」はスバル初となるフルインナーフレーム構造が採用された。これは、レーシングカーなどがパイプフレームの上にパネルを被せて形成されるように、プラットフォーム上にピラー部分を組み上げてアウターパネルを被せるという手法だ。これにより、ボディ剛性は従来比で70%、前後サブフレーム剛性は100%アップしたという。また、新構造は軽量化とスペースの有効活用にもつながっており、NVHが抑えられたことで室内の静粛性が高められ、乗り味もスムーズになるという恩恵がもたらされた。


エクステリアは先代に比べてより直線的でシャープになった印象だ。フレームレスとなりスポーティーでクリーンな印象のフロントグリル、リヤオーバーハングが30mm伸ばされ、Cピラーを寝かせて高くなったリヤデッキ。さらにリヤトレッドを広げリヤフェンダーギリギリまでタイヤを張り出し、一段と塊感が強調されている。



先代と同じ2570mmというホイールベース、全幅1840mm、全高1500mmのボディスペックを維持しつつ、歴代レガシィ最大のインテリアスペースを実現していることも特筆ポイントだ。ベースモデルを除く上級グレードのダッシュボードには、現行スバル車最大となる11.6インチのフルHD縦型ディスプレイが装備され、スマートフォンやタブレットのような感覚でシームレスに操作可能となった。またすべてがスクリーン上での操作ではなく、オーディオと温度調整スイッチは傍にスイッチを設け、直感的に操作しやすくなっているのもうれしいところだ。




シート表面のタッチはかなり柔らかめで、身体を少し沈み込ませて安定させる感触で、低反発素材のホールド感にも繋がる心地よさがある。今回試乗した最上級グレードの「ツーリング」にはスバル初となるタンカラーのナッパレザーが採用されており、視覚的な高級感もアップしている。従来からの前後シートヒーターに加え、新たにベンチレーション機能を持たせたフロントシートも非常に快適だ。ダッシュボード上のカメラでドライバーの顔認証を行い、あらかじめ登録したシートポジションなどをセットしてくれる装備も便利だし、脇見を感知して警告も行ってくれるなど、「ここがスバルを選ぶポイント」と根強いユーザーが頷く安全機能が装備がされている。


完成度の高さに驚く!
早期国内導入を切望

北米仕様に用意されるエンジンは2種類。182馬力の2.5L水平対向直噴ガソリン「FB25」と、260馬力を発揮する2.4L水平対向ターボの「FA24」だ。


どちらのエンジンも組み合わせられるトランスミッションは8速マニュアルモード付きのCVT「リニアトロニック」。今回試乗したレガシィ ツーリングXTはターボモデルだ。フリーウェイからワインディングまであらゆる状況の路面を走り込んでみたが、足まわりが先代よりも格段によくなっている印象を受けた。タイヤはヨコハマAVID-GT。こちらと足まわりのマッチングも非常によく、4輪が路面をがっちりグリップしている感触が実感できる。ブレーキングのタッチも自然で、かつトルクベクタリングもしっかりと効いており、コーナーの進入からアウトの立ち上がりまでステアリングを切った分だけノーズがクイッと回ってくれる感覚は小気味さと安心感を両立している。


以前乗ったNAモデルでもパワー不足は感じなかったのだが、今回試乗したターボモデルはパワーを安心して使いこなせる足まわりの仕上げもあって、本当に快適なドライブが堪能できた。今度のレガシィには絶対ターボ付きがオススメ、と言い切れるだけの仕上がりだ。こうなると、国内仕様では台数限定でもいいので往年のGTモデルかSTIバージョンのような、「大人のGTセダン」を出してもらいたいとも思ってしまう。とはいえ、いまだ新型レガシィの国内導入は発表されていない。


トヨタ カムリ、ホンダ アコード、マツダ6など、他メーカーもこのDセグメントのセダンを販売しているなかで、AWDセダンとしての特性を生かした大人のセダン、あるいは積雪地域などのタクシー(特に個人タクシーとかハイヤー)やパトカーなどなど、需要は十分に見込めるんじゃないかと思うのだが、いかがだろう。

〈文&写真=ケニー中嶋〉

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