2019/10/23 イベント

【TMS2019現地詳報】思い切った変化球! マツダ初の量産EV「MX-30」を写真で見る

「そろそろマツダの違うデザインが見てみたい」・・・そんな人には朗報だ。マツダが2019年10月23日、同社初の量産EV「MX-30」を世界初披露。ここでは大量の写真を放出! いつものマツダと違う、外観&内装をチェックしてほしい。ちなみにMX-30は、本日より欧州で予約受注を開始。2020年7月にデリバリーを予定。日本では2020年末の発売か? 価格は、欧州では約4万ユーロ。となると、日本では400万円前後と想像できる。日産リーフ同等の価格設定となるだろう。

魂動デザインが”動き出した”


まずは外観から。これまでのデザインとすぐに違いがわかるのが、フロントフェイス。マツダの象徴であったシグネチャーウイングや大きなフロントグリルが姿を消している。「ずいぶん変わったデザインですね」と、マツダデザインを率いる前田育男氏(常務執行役員 デザイン・ブランドスタイル)に話をふると、「思いっきり”変化球”を投げてみました」とのこと。MX-30はEVだから、大きなフロントグリルは不要。「(といった)機能面もそうですが、新しいデザインにチャレンジした部分が大きいですね」とも前田氏は語ってくれた。
ボディサイドを見てみると、ドアノブがフロントにしかない。そう、RX-8にも採用されていた、観音開きのフリースタイルドアが採用されているのだ。これは、センターピラーレスのセンターオープン式ドア構造で、リヤドアを開閉するには室内側から、もしくはフロントドアを開けてからリヤドアを開ける、といった方式のもの。なにしろ「MX」と車名に付くように、マツダのスペシャルティクーペ付けられる冠を引き継ぐモデル。単なるクロスオーバーSUVのスタイルではないのだ。
また、ボディサイドにはマツダ3やCX-30のような曲面はない。非常にシンプルなデザインだ。リヤから見るとCX-30に似た雰囲気ではあるが、じつはまったくの別モノ。特に、リヤエンドにむけてなだらかに下がるルーフラインはブラック、そしてAピラーからCピラーまで続くパネルはグレー、ボディ外板はホワイト…と、シンプルな色使いの3トーンが印象的。さらにCピラーの付け根のとシルバー加飾には、「MAZDA」とさりげなく刻まれている。


次ページは「なぜインテリアにコルクが使われた?」

インテリアにも新たなアイディアを


マツダはマツダ3からインパネなど内装のクオリティをグッと引き上げたが、MX-30ではその表現方法に変化が見られる。特に目立つのが、センターコンソールとインパネの間に大きな空間を設けたことだ。
ボルボや、シビック&ヴェゼルのように、センターコンソール下には小物入れやUSB充電口などを配置。シフトノブやコマンダーは扱いやすいようにハイマウントされてはいるが、これまでのマツダにはなかったデザインだ。ダッシュボード上のディスプレイのほかに、シフトノブ前にパネルらしきものが見えるが、どうやらエアコンなどを操作するためのもののようだ。なぜなら、エアコンのダイヤル&スイッチがインパネのどこにもないからだ。ちなみに写真内、薄茶色に見える部分はコルク。マツダは、2020年に創業100周年。もともとは1920年に創業したコルクを生産する「東洋コルク工業」からその歴史は始まった、からこその”コルク採用”。自然の温もりや呼吸を感じてほしいというメッセージが込められている。
ちなみにメーター内の速度表示は16okm/hまで。高速域になればなるほど効率が落ちるのがEVの宿命だから、最高速度はかなり控えめに設定されるようだ。
次に室内を見てみよう。フロントドア、そしてフリースタイルのリヤドアを開け放つと、大げさに「広い!」とは思わないものの大人4人がきちんと座れそうなパッケージングを実現している。ちなみにシート地は再生材など環境に配慮した素材を採用。その明るい色合いもあって非常にクリーンな雰囲気である。フリースタイルドアは、もちろん両側だ。




次ページは「その走りの実力は」

EVらしさ、というより「マツダらしさ」を


このMX-30はEVだが、ことさらEV感を追求するのではなく、マツダ3から始まった走りの質感を高めるといった方向で仕上げられている。パワートレーンは、「e-SKYACTIV」と命名。「e」にはブルー系のカラーが与えられている。
気になる走りに関してだが、CX-30の皮を被った開発車両にすでに乗っている。その”電気でもマツダらしい走り”に関しては、改めて下記よりご確認いただきたい。https://driver-web.jp/articles/detail/20865/〈文=編集部・柿崎 写真=山内潤也〉

RANKING