2019/10/18 ニュース

プジョー208がモデルチェンジ。1.2LターボとEV仕様に速攻試乗! 2020年には国内導入予定


新型プジョー208が登場! ガソリンエンジンだけでなく電気自動車も同時にデビュー。はたして、その乗り味は?リスボンでモータージャーナリストの島下泰久氏が速攻試乗! 

コンパクト市場にプジョー旋風が吹く?

日本のコンパクトカーもアツい昨今だが、来年にはフランスからも活きのいいモデルが導入されそうだ。フルモデルチェンジで生まれ変わったプジョー208が、それである。一時は元気をなくしていた感もあるプジョーだが、今年登場した508をはじめとする最近のモデルは、シャープで個性的なデザイン、i-Cockpitと名付けられた独創のユーザーインターフェイス、そしてプジョーにしか出せない懐深い乗り味によって、すっかり勢いを取り戻した感がある。新しい208も、そのいい流れに乗った攻めのモデルチェンジを敢行した。全長4055mm×全幅1745mm×全高1430mmのボディは、フロントの牙のようになったシグネチャーライトが象徴的なプジョー最新のデザイン言語で描き出され、小気味良い存在感を発揮している。小径ステアリングとヘッドアップインストゥルメントパネル、タッチスクリーンを組み合わせたi-Cockpitを採用するインテリアも、じつにデザインコンシャス。しかもソフトパッドの多用、さすがフランス車らしい気の利いた素材の使い方などもあり、クラスを超えたクオリティを実現している。そしてこのデザインと同様、いやそれ以上に注目したいのがパワートレインだ。実は新型208、内燃エンジン仕様のほかにバッテリーEV仕様のその名も「e-208」を設定しているのである。現在のEVの潮流には、VWやホンダのようにEV専用プラットフォームを開発するか、あるいはこのプジョー・シトロエンやマツダ、日産などのように内燃エンジン車と車体を共通するかという大きくふたつがある。プジョーとしては、ユーザーにまず内燃エンジン車かEVかを選択させるのではなく、208というクルマに惚れて、選んでもらい、その上で内燃エンジン車でもEVでも好きなパワートレインをどうぞ、と考えているのだ。

プジョーの新世代インターフェイス「i-Cockpit」を採用

ディスプレイにはナビ、エアコン、オーディオ、車両の状態などさまざまな情報を表示。appleCarPlayなどにも対応

バッテリー残量や走行可能距離、パワートレーンの駆動状況なども表示

スマートフォンを置いておけるスペースも確保





バッテリー&モーター駆動の純粋な電気自動車を設定
 次のページは、試乗インプレッション!国産車とはひと味違う走りを披露?


ガソリン車は弾けるように走る!

ポルトガルはリスボンで行なわれた試乗会では、ふたつのパワートレインを試すことができた。試乗したのは、最高出力130馬力の直列3気筒1.2リットル ターボエンジンに8速ATを組み合わせた内燃エンジン版のPureTech 130 S&S、そして最高出力136馬力の電気モーターを搭載するe-208である。いずれも日本導入の可能性が高い。まず乗ったのはPureTech 130 S&S。エンジンは230Nmのトルクを1750回転から発生する実用域に振った特性でありながら、3気筒らしく吹け上がりも元気がいいから、弾けるように走る。ぜいたくにも8速ATを組み合わせるだけにドライバビリティも上々だ。ブランドのすみ分けということで、スポーティ方向に振りたいという意向らしく、乗り心地はやや硬め。プジョーを語る上での常套句である猫脚という表現は、ちょっと似つかわしくない。その代わりキビキビとしたハンドリングに躾けられているが、個人的にはもう少し丸みのある乗り味の方がプジョーらしい。17インチタイヤを履くGT Lineのほか、16インチのAllure(アリュール)も試したが、サスペンションのセットは同じということで、むしろ17インチの方が乗り心地も含めてバランスはよく感じられた。

プジョーのEVは「フツウに乗れる」

続いてe-208を試す。特筆すべきは、EVでも内燃エンジン車に対して何ら犠牲になっている部分はないということだ。電動パワートレインはボンネット下に収まる。そして、WLTPモードで340kmという航続距離を実現する大容量50kWhのリチウムイオンバッテリーは、センタートンネル内と前後シート下に分けて搭載。内燃エンジン車とまったく変わらない室内空間、荷室を確保している。もともと、EVの設定を前提に開発された新プラットフォームの威力だ。電気モーターの力強さはしっかり出しつつも、発進時の飛び出し感などはうまく抑えたドライバビリティは上々。いい意味でEVだと意識せずとも「フツウに乗れる」仕上がりとなっている。車重は300kg近く重いとは言え、こちらトルクは260Nmも出ているから加速力はPureTech 130 S&S以上。シームレスにするすると速度を高めていく。こちらも実用域重視の設定のようで高速域では頭打ち感が出てくるが、日本の交通環境なら不足に思うことはないはず。パワートレインが静かな分、ロードノイズや風切り音がやや気になるが、コンパクトカーにこれ以上を望むのは酷かもしれない……といったところである。こちらもやはりサスペンションは硬めの設定だが、車重がある分、動きはやや落ち着いている。リスボン郊外の荒れた舗装ではネガも出たが、日本の特に都市部でなら十分満足できそうに感じられた。 




給電口は左側後方に付く

国産車にはない208の魅力とは?

日本のコンパクトカーたちとはひと味違った208のキレッキレのデザインや軽快な走りは、間違いなく市場を盛り上げてくれるはず。特にe-208は、間違いなく輸入EV最安値となるだろうから、その意味でも注目されることになるだろう。よくできたコンパクトカーが欲しいというなら日本車もいい。けれど新型プジョー208には、輸入車ならではの個性、彩り、楽しさがあふれている。2020年中とされる導入、今から期待大の1台である。

文:島下泰久(Yasuhisa shimashita)写真:プジョー

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