2017/11/20 ニュース

マツダ、LAショーで改良型アテンザが見えた!?

マツダが2017年12月1日〜10日まで開催されるロサンゼルス自動車ショー(LAショー)の出展概要を発表した。なかでも注目はワールドプレミアとなるMAZDA6(日本名:アテンザ)のマイナーチェンジモデルの発表だろう。MAZDA6は2012年に現行モデルが登場、今回が3度目の改良となるのだが、じつはかなり大胆な変更になりそうだ。まず、パワートレーンについては、2.5L・直4ガソリンエンジン「SKYACTIV-G2.5」に気筒休止などの新技術を投入。優れた燃費性能と人間中心のパフォーマンスフィールを高次元で両立しているという。そして、北米専用モデルであるCX-9に搭載している、2.5L・直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G2.5T」を新たに設定。4L・V8自然吸気ガソリンエンジン並みのトルクにより、余裕のあるトルクフルな走りを手に入れるのだ。かつて存在したマツダスピードアテンザのような痛快な走りを期待できる!? 人気絶頂のSUVモデルにひけをとらない、マツダのフラッグシップモデルとしての存在価値をさらに高めるアップデートが図られるのだ。ターボ仕様の日本導入のアナウンスは今のところないが、大いに期待したい。ちなみに気筒休止を追加した「SKYACTIV-G2.5」には6速ATおよび6速MT、ターボ仕様の「SKYACTIV-G2.5T」は6速ATを設定するもようだ。 

次世代へ先鞭をつけるフェイスリフト!?

デザインについては、「Mature Elegance」をコンセプトに、エクステリア・インテリアともに上質さに磨きをかけ、大人の落ち着きを感じさせるデザインへと深化させたという。ここで注目したいのは、公開されたエクステリアの画像である。第6世代商品群と呼ばれる現行モデルの特徴でもある、シグネチャーウイングを核としたフロントフェイスを”半身”のみ露出したイメージカット。2012年の登場時は、グリルの下部をまわり込んだ細身のシグネチャーウイングの先端は、ヘッドライトレンズ上部へ切れ込む形だった。これを2014年のマイチェン時にはヘッドライトに内包するデザインに変更していた。同時にシグネチャーウイングの”骨太”化を図り、横方向への広がり感と目ヂカラを強めた造形に変更した。対して今回の改良では、これまで以上にウイングの骨太化を図ると同時に、端部をヘッドライトの下へ配置。グリル形状も立体感のあるメッシュタイプへと改められている。これは2016年にフルモデルチェンジを実施したCX-5からのデザインエッセンスを取り入れたものだが、じつはもう一歩先へ踏み込んだと見ていい。先の東京モーターショーで出品された、「マツダ VISION COUPE」と「マツダ 魁 CONCEPT」の両コンセプトモデルで見られる次世代デザインが、”先出し”で採用されているのだ。バンパー下部の処理も含めてコンセプトモデルと見比べれば納得してもらえるだろう。スカイアクティブXやプラットフォームを含めて”フルでの次世代化”を果たすのは、魁CONCEPTで示唆された、2019年登場予定のアクセラであることは間違いない。フラッグシップモデルであるアテンザが、デザイン面でその先鞭をつけ、次世代モデルへつなげる。第6世代へと進化する過程でみた、”フルスカイアクティブ”までの段階導入という道のりとダブって見えてしまうのは、先走りすぎだろうか?
●LAショー出品モデル。シグネチャーウイングのさらなる立体化を図り、ヘッドライトとグリル、バンパー形状も変更して押し出し感のあるフロントフェイスとなった

●2014年11月に大幅改良を実施したアテンザ(日本仕様)。水平基調のグリルデザインとなり、ワイド感を強調。LEDアレイ方式グレアフリー(防眩)ハイビームを備えた新世代ヘッドライトシステム「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」を搭載
 
●東京モーターショー2017で出品されたデザインコンセプトモデル「マツダ VISION COUPE」。流麗なボディワークに”アテンザが将来このようになる”という期待感も込めて見た人も多いハズ。現実的な部品構成にしてみると……。これはLAショーにも出品される

●スカイアクティブビークルアーキテクチャーやスカイアクティブXといった次世代技術をフル搭載して登場するアクセラを示唆する「マツダ 魁(KAI)CONCEPT」。ビジョンクーペともそろうフェイスデザイン。MAZDA6のシグネチャーウイングの骨太感はかなりこちら(次世代)より

NEXT:インテリアも大胆に変更! CX-5もパワフルに

インパネも大手術を敢行。旗艦としての存在感と+α

インテリアについては、日本の伝統家具や楽器などに採用される栓木(せんのき)を用いた本杢素材などによりプレミアム感を表現。フラッグシップらしい品格や質感を熟成させたという。そこで公開された写真を見てみると……、インパネまわりのデザインが大きく変更を受けているではないか! 横基調のシンプルな造形に改められたインパネは上段と下段で階段形状となっている。中央のエアコンルーバーが収まるエリアには本杢素材、下段には革素材と思われる加飾が施されているようだ。グッとプレミアム感を感じさせると同時に、さらなる落ち着き感を手に入れたように見える。そして、もうひとつ注目しておきたい箇所があるのだ。それは「マツダコネクト」のディスプレイ部である。エアコンルーバー上部からディスプレイ下部の間を従来モデルと比べると、厚みが薄くなり、取り付け位置も低められているように見える。対してディスプレイ上端は従来同様の高さを維持か。ということは、最近のナビ画面大型化の波に乗り遅れ(?)、かつ、大型化の要望も多いと聞く、マツダコネクトの画面サイズがついにサイズアップ!! となっているかもしれない。インパネの造形を大きく変更しているのだから、大いにあり得るのではないか?このほか、先進安全技術「i-ACTIVSENSE」も、全車速追従となった「マツダレーダークルーズコントロール」や、360度ビューモニターの採用など最新仕様にアップデートが図られるもようだ。
●LAショー出品モデル。水平基調を強めた造形に改められ、素材使いも吟味。インテリアをよりプレミアムな質感へと昇華させた。従来型の写真とハンドル位置が逆なのでわかりづらいが、センター部の印象が大きく違うのがわかるハズだ

●現行モデル(日本仕様)のインパネ。「マツダコネクト」に対応するためインパネデザインを刷新。登場時に比べずいぶんと変化したと感じたのだが……。またもや大手術を受けることに


CX-5がパワフルになる!?

MAZDA6と同様、気筒休止などの新技術を採用した「SKYACTIV-G2.5」を搭載した「CX-5」のマイチェンモデルも初公開される。このことからわかるのは、2.5Lガソリンエンジンは改良進化モデルへ順次スイッチしていく、ということ。現在のマツダが推し進める最新技術の水平展開を考えると、当然日本仕様も同様の改良が施されるだろう。加えて、CX-8で高出力化を図った改良型「SKYACTIV-D2.2」もまた、日本国内での改良を機に搭載されるはず。3列シート化により全長を伸ばし、重量が増したCX-8では、CX-5同等の走りを実現しているとしていた。その改良型「SKYACTIV-D2.2」は、そのまま短く軽いCX-5に搭載すれば、動力性能がさらに向上するというのは想像に難くない。マツダの主力モデルが新たな展開を見せるLAショーにぜひ注目したい。 

■LAショー出品一覧

[市販予定車]

・「MAZDA6」セダン商品改良モデル(世界初公開)・「MAZDA CX-5」商品改良モデル(北米初公開)

[参考出品車]

・次世代デザインビジョンモデル「マツダ VISION COUPE」(北米初公開)・「MAZDA RT24-P」(プロトタイプレースカー)・「MAZDA MX-5」(グローバルMX-5カップ仕様車)・「MAZDA MX-5 Halfie」(カスタムカー)

[技術展示]

・SKYACTIV-G2.0(ガソリンエンジン)・SKYACTIV-G2.5T(ガソリンターボエンジン)[市販車]「MAZDA3」、「MAZDA CX-3」、「MAZDA CX-9」、「MAZDA MX-5 RF」
そのほかの出品車両に関しては、先の東京モーターショーで示されたマツダの未来のクルマとして「マツダ VISION CONCEPT」を持ち込むほか、モータースポーツの人気が高い北米ならではの「MAZDA RT24-P」やMAZDA MX-5のグローバルMX-5カップ仕様車といったレースカー展示がブースに華を添える。ちなみに「MAZDA MX-5 Halfie(ハーフィー)」は、”右半分”がノーマルで”左半分”がグローバルMX-5カップ仕様車のニコイチだそう。

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