2019/06/20 ニュース

〈実証実験〉みちのりHD、茨城交通、パイオニアが、常陸太田市で自動運転サービス実証実験を実施

みちのりホールディングス(みちのりHD)と茨城交通、パイオニアは2019年6月20日、道の駅「ひたちおおた」を拠点とした自動運転サービス実証実験地域協議会が実施する、常陸太田市における自動運転サービス実証実験に参加することを発表した。この実証実験で、安心・安全な自動運転サービスの実現に向けた検知システムの検証を行う。今回実施する実証実験は、自動運転車両および地域住民をサポートする移動サービスの実現に向けた技術の検証を目的としている。パイオニアの保有する”「3D-LiDARセンサー」による人・物体検知”、”独自の音響信号処理技術を用いた音声案内システム”、”自動運転に有用な各種情報を取得するIoTシステム”を用いた検証を行う。この実証実験は、内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)のプログラムの1つとして実施される。

[常陸太田市自動運転サービス実証実験の概要]

・実施期間:2019年6月23日〜7月21日・実施場所:茨城県常陸太田市 高倉地域(走行距離約1.8km)・実施時間:8:00〜17:00(毎日運行)・走行車両:ヤマハ発動機が提供する自動運転車両・参画企業:日本工営、みちのりホールディングス、茨城交通、ジョルダン、KDDI総合研究所、パイオニア 
パイオニアとみちのりHD、茨城交通は、パイオニアの技術を活用し、以下の検証を行う。

■路側・車両に設置した「3D-LiDARセンサー」による人・物体検知

パイオニアは、これまで車両や船舶に「3D-LiDARセンサー」を設置した実験および実用性の検証を重ねてきた。今回の実証では、検証車両への搭載に加えて「3D-LiDARセンサー」を路側へ設置して走行ルート上の障害物を検知する検証を行う。物体を高解像度で立体的に検知できる「3D-LiDARセンサー」が夜間でも物体検知が可能なので、車両、路側(インフラ)の双方から自動運転サービスを支えるセンサーとしての活用が期待される。1)路側からの障害物検知路側へ「3D-LiDARセンサー」を設置し、検証車両の走行ルート上の樹木などの落下物、その他障害物を検知して、その情報を管制センサーへ伝える技術の検証を行う。障害物を検知して除去するまでの一連の処理を実際の運用に近い状況で検証することで、インフラ側からサービスを支えるための課題を抽出する。
●路側からの障害物検知(イメージ)。下の映像は3D-LiDARセンサーで収集した点群データイメージ
 2)車両からの乗車希望者検知走行車両へ「3D-LiDARセンサー」を設置し、乗車を希望する人を検知して自動運転車両へ情報伝達する技術の検証を行う。運転手が介在しない自動運転バスにおいて、これまで人が行っていた乗車希望者の認知を「3D-LiDARセンサー」に置き換えたシーンを想定。乗車希望者の検知から乗車までを実運用に近い状況で検証することにより、自動運転バスへの「3D-LiDARセンサー」の実走に向けた課題の整理と解決策の検討に繋げる。
●3D-LiDARセンサーを用いた乗車希望者検知イメージ
  

■音響信号処理技術を用いた音声案内システム

対象物を振動させてスピーカーのように音を出せる音響デバイスと、環境に合わせて聞き取りやすい音に自動で調整するパイオニア独自の音響信号処理技術を用いた音声案内システム。バス停や自動運転車両などの既存設備へ外観を損なわずに後付け可能なシステムで、自動運転車両でのアナウンスやバス停での音声案内などへの活用を想定している。
●音声案内システムの構成要素
  

■自動運転に有用な各種情報を取得するIoTシステム

加速度や車両に取り付けたマイクで収集した音など、自動運転に有用とされる各種センシング情報を、ネットワーク経由で取得するパイオニアのIoTシステム。自動運転サービスの管理者が走行環境などの状況を把握する用途への活用を想定している。
 
みちのりホールディングスhttp://www.michinori.co.jp茨城交通http://www.ibako.co.jpパイオニアhttps://jpn.pioneer/ja/

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