2019/05/24 ニュース

マツダの新たな1ページの幕開け! ついに「MAZDA3(マツダ3)」が国内販売開始。スカイアクティブXは10月発売

マツダは2019年5月24日、新型Cセグメントハッチバックおよびセダン「MAZDA3(マツダ3)」を全国のマツダ販売店で発売した。
マツダ3は、アクセラの後継モデルである。今後のマツダのクルマ造りの方向性を体現する新世代商品群の第一弾として登場。マツダが従来から推し進めてきた「走る歓び」が、次のステップに突入する。これまで国外で展開していた「MAZDA3=アクセラ」をグローバルで統一。日本でも「マツダ3」を名乗ることとなった。車種体系は5ドアハッチバックと4ドア「セダン」と従来どおり2つのボディを用意。ハッチバックモデルは従来の「スポーツ」から「ファストバック」に名称を改めた。セダンは引き続き「セダン」だ。さて、2018年11月28日、アメリカ・ロサンゼルスで新型マツダ3がワールドプレミアされ、2019年初の東京ートサロンで国内初披露してから約5カ月。ようやく国内販売開始となったわけだが、当ウェブサイトでもLAで公開された北米仕様やエンジンバリエーション、価格情報など度々情報をお伝えしてきた。 
●マツダ3ファストバック
ということで、まずは正式発表となったマツダ3の国内仕様のバリエーションと価格からお伝えしよう。

[バリエーション&価格]


●マツダ3ファストバック
■マツダ3ファストバック〈スカイアクティブX(2Lガソリン+モーター)・6速ATもしくは6速MT〉*2019年7月予約受注開始、10月販売開始予定X バーガンディセレクション:FF…338万9200円/4WD…362万1400円X Lパッケージ:FF…331万9000円/4WD…355万1200円X プロアクティブ ツーリングセレクション:FF…325万8800円/4WD…349万1000円X プロアクティブ:FF…314万0000円/4WD…337万2200円〈スカイアクティブD1.8(1.8Lディーゼルターボ)・6速AT〉*2019年5月24日販売開始XD バーガンディセレクション:FF…298万9200円/4WD…322万1400円XD Lパッケージ:FF…291万9000円/4WD…315万1200円XD プロアクティブ ツーリングセレクション:FF…285万8800円/4WD…309万1000円XD プロアクティブ:FF…274万0000円/4WD…297万2200円〈スカイアクティブG2.0(2.0Lガソリン)・6速AT〉*2019年5月24日予約受注開始、7月下旬販売開始予定20S バーガンディセレクション:FF…271万9200円20S Lパッケージ:FF…264万9000円20S プロアクティブ ツーリングセレクション:FF…258万8800円20S プロアクティブ:FF…247万0000円〈スカイアクティブG1.5(1.5Lガソリン)・FFは6速ATもしくは6速MT、4WDは6速AT〉*2019年5月24日販売開始15S ツーリング:FF…227万3880円/4WD…250万6080円15S:FF…218万1000円/4WD…241万3200円 
マツダ3セダン
■マツダ3セダン〈スカイアクティブX(2Lガソリン+モーター)・6速AT〉*2019年7月予約受注開始、10月販売開始予定X Lパッケージ:FF…331万9000円/4WD…355万1200円X プロアクティブ ツーリングセレクション:FF…325万8800円/4WD…349万1000円X プロアクティブ:FF…314万0000円/4WD…337万2200円〈スカイアクティブD1.8(1.8Lディーゼルターボ)・6速AT〉*2019年5月24日販売開始XD Lパッケージ:FF…291万9000円/4WD…315万1200円XD プロアクティブ ツーリングセレクション:FF…285万8800円/4WD…309万1000円XD プロアクティブ:FF…274万0000円/4WD…297万2200円〈スカイアクティブG2.0(2.0Lガソリン)・6速AT〉*2019年5月24日予約受注開始、7月下旬販売開始予定20S Lパッケージ:FF…264万9000円20S プロアクティブ ツーリングセレクション:FF…258万8800円20S プロアクティブ:FF…247万0000円  

●マツダ3セダン

「引き算の美学」を体現光の移ろいを感じられるボディワーク

次にすでに周知のものとなっているデザインを見ていこう。新型マツダ3は、現在のマツダ車に共通する「塊動デザイン」をさらに深化させた。日本の伝統的な美意識に基づく「引き算の美学」でクルマのフォルムから、不要な要素をそぎ落とし、滑らかなボディの面を走る光の移ろいを演出。基本的な造形は同じくしながら、じつはまるで違うものとなっている。
●マツダ3ファストバック
ファストバックは「色気のある塊」をテーマに、キャラクターラインを廃したボディサイドを流れる「光の移ろい」による生命感を表現。さらにスピード感のあるルーフラインと力強いCピラーの造形が塊感を強調し、見る人に独創的で刺激的なライフスタイルを予感させるものとしている。 
●マツダ3セダン
対してセダンは「凛とした伸びやかさ」をテーマとして、伝統的な3ボックススタイルを作り出した。そのうえで、水平基調と前後の伸びやかで優雅なワンモーションの動きにより、落ち着いた大人の品格と優雅さを表現する。結果、ボディパーツで両者が共用するのは、ボンネットフードとヘッドライト、グリル(の枠)くらいで、ほとんどのパーツが作り分けられているのだ。 
●新色のポリメタルグレーメタリック

ボディを引き立てるカラー

新型マツダ3に設定されるボディカラーはファストバックが8色、セダンは7色を設定。ソウルレッドクリスタルメタリックやマシーングレーメタリックはもちろん、ファストバックには金属のような質感と樹脂特有の滑らかな素材感を融合した新開発の「ポリメタルグレーメタリック」を専用色として設定した。
●ファストバックに設定されるバーガンディの内装色
内装はブラック内装(本革、ファブリック)がファストバックとセダン共通で設定される。これに加え、ファストバックには「バーガンディ」本革内装を設定、バーガンディセレクションとしてラインアップ。セダンには専用色としてピュアホワイトの本革内装を設定している。
●セダンにはピュアホワイトの本革内装を設定
 


シンプルかつ上品なインテリア情報・操作系はドライバーに正対する

インテリアに目を向けると、こちらも「引き算の美学」を引用。水平基調がより際立つのは、余分な要素をそぎ落としたシンプルな造形だから。その上で美しさと上質感のある仕立てにこだわり、かつ運転に集中できる心地よい空間という機能性を融合させた。運転に必要な各操作機器や情報表示などはドライバーを中心に左右対称に配置。それらがドライバーと正対することで人とクルマの一体感が得られる造形としている。さらに、内装のシボも新開発。本物の革が持つ豊かな表情とぬくもり感を表現するため、デザイナーと革職人が共同で取り組み、本物ならではの不均一さを再現。これまでの画一的なパターンとは違う生命観と個性を持たせている。 
 シフトレバー周辺には新開発の「2層形成シフトパネル」を採用。表層のカラークリア層と基材の黒いメタリック層の2層構造により、光を受けると奥から模様が浮かび上がる仕掛けで、外観同様に光の移ろいによる豊かな表情を見せる。 

●スカイアクティブX

スカイアクティブXを初搭載全4種のエンジンを設定

新型マツダ3の最大のトピックはなんといっても燃焼方式にSPCCI(Spark Controlled Compression Ignition:火花圧縮着火)を採用した、マツダ独自の圧縮着火方式の内燃機関「SKYACTIV-X(スカイアクティブX)」を初めて搭載することだ。ガソリンエンジンならではの伸びのよさにディーゼルエンジンの優れた燃費やトルク、応答性といった特徴を融合した新世代のガソリンエンジンである。さらにこのエンジンにはマイルドハイブリッドシステム「M Hybrid(エムハイブリッド)」が組み合わされ、モーターアシストを効率的に活用することで燃費性能を向上させている。排気量は2リットル(直列4気筒)となり、マツダ3のグレードバリエーションのなかでもハイエンドに位置する、この「スカイアクティブX」を筆頭に、1.8リットル直列4気筒直噴クリーンディーゼルターボエンジンの「SKYACTIV-D1.8」、2リットル直列4気筒直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G2.0」、1.5リットル直列4気筒直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G1.5」の4つのエンジンを採用する。
●スカイアクティブG2.0

●スカイアクティブD1.8

●スカイアクティブG1.5
ファストバックは上記すべてのエンジンを搭載。セダンは1.5リットルガソリンエンジンを除く3つの『エンジンバリエーションとなる。4つのエンジンに対して組み合わされるトランスミッションと駆動方式は前述のバリエーション&価格のとおり。  


運動性能にもさらなる磨きをかける

かねてからマツダがこだわる「人馬一体」のクルマづくりは、新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブアーキテクチャー)」でさらなる深化を果たしている。動力性能の根本的な要素のなかにドライバーの「理想的な運転姿勢」を盛り込んだ。これは人間の理想の運転姿勢を「歩行状態」と定義し、人の座るシートからボディ、シャシー、タイヤまでを有機的に連携させた。着座時に少ない筋負担で乗員の頭部の動きを安定化することで、長距離移動でも疲れにくく、意図したとおりにクルマを動かせるような走りを実現した。 
また、マツダがこだわる適切なドライビングポジションがとれるコックピット設計も進化。さまざまな体格をカバーできるよう角調整機構の調整幅を拡大。シートには太ももを保持するためのチルト機構を新たに搭載した。従来型より採用しているオルガン式ペダルもより操作しやすく疲れにくい構造を新たに開発した。
 
新世代車両運動制御技術「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS(スカイアクティブビークルダイナミクス)」の「Gベクタリングコントロールプラス(GVCプラス)」には、新たにブレーキによる車両姿勢安定化制御(直接ヨーモーメント制御)を追加。旋回中のドライバーのハンドル戻し操作に応じて、外輪をわずかに制動させ、車両を直進状態に戻すための復元モーメントを発生させる。これにより安定性が向上し、素早いハンドル操作に対する車両の追従性や挙動の収束性を大幅に改善した。さらに4WDモデルでは、GVCと協調して車両運動性能を向上させる新しいAWD制御を採用。ハンドル操作に応じて旋回時の前後輪へのトルク配分を最適制御。従来以上に安定した滑らかな挙動を実現し、高速走行時の車線変更や雪道など、滑りやすい路面環境でも制御しやすく、より安心感の高い動きを実現している。 
 

抜群の静粛性を実現した上でこれまでにない上質な音響空間を創出

マツダは走行時の不快感をなくすことにもこだわり、新型マツダ3ではこれらの低減策を施している。具体的には、タイヤからサスペンション、ボディを通じて伝わる突き上げを滑らかに減衰し、騒音や振動を小さくするとともに、乗員が感じる音や振動を感覚に沿って変化させていくことで、静かなだけでなく居心地のよさを感じられる質の高い静粛性を追求した。 
●スピーカーレイアウト
また、オーディオシステムも新開発。音の大きさ、方向、時間変化の3つの側面から、人間の特性に合わせて開発した「Mazda Harmonic Acoustics(8スピーカー)」との相乗効果で、静粛性の向上した室内空間に響き渡り、まるで自分専用のオーディオルームにいるかのような音響空間を実現している。一部グレードにはBose社と共同開発した、メーカーオプションの「Boseオーディオシステム(12スピーカー)」も設定。音の立体感や明瞭度に磨きがかかる、さらなる高音質空間を手に入れられる。 

”疲れない”が快適性を向上させる運転環境はさらに進化

運転環境のブラッシュアップも見逃せない。HMI(ヒューマンマシンインターフェース)は、マツダが従来採用してきた3つのわき見(視線・意識・操作)を最小化する「ヘッズアップコックピット」コンセプトを継承しさらに進化させた。装備が充実することで増える情報量を整理し、必要な情報だけをシンプルな表示や警報で知らせることで、ドライバーの情報処理にかかる脳の負担を軽減。運転に集中できる環境を作り出した。 

見てよし、触ってよし緻密に作り込まれた上質感

また、クラフトマンシップでは心理学を応用することで、「みる」、「触る」、「操作する」といったそれぞれの領域に対して、人間の特性に沿った心地よさを追求した。「みる」では、インテリアの部品の継ぎ目やビスなど、無意識のうちに気になる「視覚的ノイズ」を徹底的に削減。「触る」と「操作する」については、人の「触感」と感情の変化との結びつきを最新の解析で数値化し、心拍数とその揺らぎを計測しながら、部位ごとに適正な心地よさを設定するとともに、押す・引く・回すなど異なる操作でも共通の感覚が得られるように操作感を緻密に作り込んでいる。 

安全性能も進化

危険な状況に陥る前に、その危険自体を回避する「Mazda Proactive Safety(マツダプロアクティブセーフティ)」の考え方に基づき、先進安全技術「i-ACTIVESENS(iアクティブセンス)」で使用しているセンサーやレーダー、カメラからの情報を連携させることで、各技術間の協調制御の精度や性能を向上させた。 
●ドライバーモニタリング
センターディスプレイの脇に設置した赤外線カメラによる「ドライバーモニタリング」を新たにオプション設定。ドライバーの表情変化や視線の動きなどから居眠りやわき見などの状態を検知すると、危険をドライバーにいち早く伝え、衝突回避・被害軽減の効果を高める。 
●クルージング&トラフィックサポート
このほか、渋滞中に先行車に自動追従して疲労を軽減する「Cruising & Traffic Support(クルージング&トラフィックサポート=CTS)」や、新設定のフロントサイドレーダーで見とおりの悪い丁字路などで死角から接近してくる車両を検知し、ドライバーに知らせる「Front Cross Traffic Alert(前側方接近車両検知=FCTA)」などを新たに設定。ドライバーの安全運転をサポートし事故のリスクの低減に寄与する。
●前側方接近車両検知=FCTA
 
●8.8インチのセンターディスプレイ
マツダコネクトも進化。センターディスプレイは8.8インチワイド画面を採用。情報量を増やすとともに、レイアウトを最適化して走行状況を瞬時に判別できる視認性との両立を図っている。また、ナビの検索にフリーワード機能を追加、コマンダー上面をタッチパッド化することで直感的な操作を実現する。ちなみにディスプレイのタッチ操作は廃止された。 
新型マツダ3には車載通信機を搭載(1.5リットル車以外に標準搭載)。今後サービスの提供を開始するコネクティッドサービスと、同じく配信予定のスマートフォンアプリ「MyMazda(マイマツダ)」と連携させることで、車両のメンテナンス情報や事故など緊急時のヘルプセンターへの自動連絡、オペレーターによるドライブサポートなどが使えるほか、緊急時の通報サービスも提供する。これはトヨタのコネクティッドカーに搭載されたもののようなことができるとイメージすればいいだろう。
 
<文=編集部 写真=山内潤也>*製品仕様・価格(8%税込み)などは発表時のもの 
マツダhttps://www.mazda.co.jp  

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