2017/10/31 イベント

WRC 2017 第12戦 GB オジェがタイトル5連覇!

 

地元エヴァンスが初優勝を飾る!


©Redbull   ●Mスポーツの苦労人、エヴァンス。地元ラリーで最速の座を勝ち取った
 第12戦 Dayinsure ウェールズ ラリー・GB 2017

日時:10月26〜29日
サーフェイス:グラベル
SS総走行距離:306.98㎞(SS数21)
サービスパーク:ディーサイド(イギリス)

気まぐれな天候と泥が名物の、ウェールズラリー・GB。RACと呼ばれていた時代から数々の名勝負が繰り広げられ、今年で73回目の開催を迎える伝統のラリーだ。このラリーでの注目は、何といってもチャンピオン争いだろう。
昨年までシリーズ4連覇中で現在ポイントスタンディング1位のセバスチャン・オジェ(Mスポーツ)は、勝てば文句なしの王座決定。ほかの順位でフィニッシュしても、同2位のタナック(Mスポーツ)と同3位ヌービル(ヒュンダイ)の結果次第では、チャンピオンは決定する。そしてチームの年間王者も、オジェを擁するMスポーツが王手をかけている状態。イギリスのチームでもあるMスポーツは、地元での戴冠がぜひとも欲しいところだ。そんななかスタートしたラリーは、デイ2から名物の泥がクルーを苦しめる。天候は晴れているが、前日の夜に降った雨の影響で路面は泥が乗った非常に滑りやすい状況。各ステージをフィニッシュするたびに、クルーからは「スリッピーだ」とコメントが聞こえてくる。ただ、クルーのなかで一人だけ別格の人物がいた。地元ウェールズ出身のエルフィン・エヴァンスだ。ワークス勢では唯一ミシュランではなくDマックタイヤで参戦している彼は、タイヤの状況を見ながら走行したと言いながらいきなりオープニングのSS2をベストタイムでゴールする。その先は、この日のデイ2と翌日のデイ3でステージベスト9本、セカンドベスト3本をマークし完全に他を圧倒。一気にラリーの主役へ躍り出た。エヴァンスは、最終日を残して2位に約1分の差をつける。最終日はリタイヤを避ける安全な走行に徹し、自身初のWRC勝利を見事地元イベントで達成した。 
©Redbull  ●エルフィン・エヴァンス(左)と、コドライバーのダニエル・バリット

オジェ+Mスポーツ、ダブルタイトル!

 
©Redbull  ●Mスポーツのマニュファクチャラーズタイトル獲得は2007年以来。まだ2LターボのフォーカスWRCの時代だ
そして、チャンピオン争いはオジェとヌービルの争いとなる。ヌービルはここで勝ち、さらにオジェがノーポイントで終われば次戦最終戦オーストラリアまでチャンピオン争いを持ち込むことができる。最初から全開で行きたいヌービルだったが、デイ2のオープニングSS2で出遅れてしまう。ひどいアンダーステアに悩まされコースアウトし、同時にエンジンストール。このステージ8番手に終わり総合12位。この後、挽回し順位を上げるが、とうとうエヴァンスにはかなわなかった。一方オジェは、ステージ最速タイムこそラリーを通して2回と控えめながら、着実な走りで3位ポディウムを獲得。この瞬間、WRC2017のドライバーズタイトルと、Mスポーツのマニュファクチャラーズタイトルが決まった!オジェは選手権5連覇。Mスポーツは2007年以来の戴冠。エヴァンスの初勝利も重なり、チームはお祝いムード一色となった。一方トヨタ勢は、終始グリップが得られない路面に苦戦。ラトバラが5位、ラッピが9位、ハンニネンはリタイヤに終わっている。次戦は11月16〜19日の最終戦オーストラリアだ。
SS21後 総合タイム1.E・エヴァンス(Mスポーツ)  2h57m00.6s2.T・ヌービル(ヒュンダイ)   +37.3s3.S・オジェ(Mスポーツ)    +45.2s4.A・ミケルセン(ヒュンダイ)  +49.8s5.J・ラトバラ(トヨタ)     +50.3s6.O・タナック(Mスポーツ)   +1m02.3s

©Redbull  ●オジェのフィエスタWRC。今年は思いどおりにマシンが走らせられず、「この王座は、今までで一番大変だった」と本人が語るほど苦労した。表彰台のあとに見せた涙が、すべてを物語っていた

After Rd.12

ドライバーズ・ポイントスタンディング

1:セバスチャン・オジェ(Mスポーツ)         2152:ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)          1833:オット・タナク(Mスポーツ)                  1694:ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ)                1365:エルフィン・エヴァンス(Mスポーツ)      1186:ダニエル・ソルド(ヒュンダイ)                    957:ユホ・ハンニネン(トヨタ)                           718:クリス・ミーク(シトロエン)                       709:クレイグ・ブリーン(シトロエン)               6410:ヘイデン・パッドン(ヒュンダイ)               5911:アンドレアス・ミケルセン(シトロエン)   5212:エサペッカ・ラッピ(トヨタ)                       5113:ステファン・ルフェーブル(シトロエン)   3014:マッズ・オストベルグ(Mスポーツ)     29

マニュファクチャラーズ・ポイントスタンディング

1:Mスポーツ ワールドラリーチーム                 3982:ヒュンダイ モータースポーツ                          3053:トヨタ ガズー レーシングWRT                       2414:シトロエン トタル アブダビWRT                   210
 

RANKING